平成28年第17問 解答 ~財務・会計~


 こんにちは!
 EVE2です。
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 すべての用語が理解できました。それでは、早速、平成28年第17問について、解いていきましょう!
 まず、最初に、平成28年第17問を再掲します。

[平成28年第17問]
 現在、3つのプロジェクト(プロジェクト①~プロジェクト③)の採否について検討している。各プロジェクトの初期投資額、第1期末から第3期末に生じるキャッシュフロー、および内部収益率(IRR)は以下の表のとおり予測されている。いずれのプロジェクトも、経済命数は3年である。初期投資は第1期首に行われる。なお、法人税は存在しないと仮定する。
 内部収益率法を用いた場合のプロジェクトの順位づけとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。たとえば、プロジェクト①>プロジェクト②は、プロジェクト①の優先順位が高いことを示す。なお、内部収益率の計算にあたっては、以下の表を用いること。

[解答群]
ア,プロジェクト①>プロジェクト②>プロジェクト③
イ,プロジェクト①>プロジェクト③>プロジェクト②
ウ,プロジェクト②>プロジェクト①>プロジェクト③
エ,プロジェクト②>プロジェクト③>プロジェクト①
オ,プロジェクト③>プロジェクト①>プロジェクト②
[問題の考察]
 用語の全てを理解し、再度以上の問題を見たのですが、パットしません。なぜって?まず、第1に、内部収益率法(IRR)って、正味現在価値がちょうど0になるように計算するはずなのに、表のIRRには数値が入っています。ただ、Bardに聞いたところ、このIRRとは割引率を指しているらしい・・・。
 これが、分かると問題を解けそうじゃありませんか?

[解答]
 表を見ると、プロジェクト②だけが都合良く毎期一定にキャッシュが200万円づつ入ってきています。これって、何を指していると思いますか?そうです。年金を指しているのです。これが、分かれば、内部収益率法(IRR)は、正味現在価値が0となるように求めるので、以下のような1次方程式を作ることができます。

 年金 × 年金現価係数 - 投資額 = 0

以上の式に問題文から数値を入れると以下のようになります。

 200 × 年金現価係数 - 500 =0
 年金現価係数 = 2.5

以上の年金現価係数は、表の経済命数が3年の場合の年金現価係数を見ると、ちょうど、割引率が9%と10%の間ぐらいになりそうです。
 以上の解答を、キャッシュフローの図に書き込みプロジェクトの優先順位を求めると以下の通りとなります。

❶プロジェクト②
❷プロジェクト①
❸プロジェクト③
以上から解答は、ウとなります。

 昨日のBardは、割引率について、以下のように解答しています。

 割引率が高ければ高いほど、将来のお金は現在価値が低くなります。

以上について、ちょっと、分かり難いので補足すると、割引率が大きければ大きいほど、正味現在価値は数値的に小さくなり、将来のキャッシュフローの価値が大きくなるということです。つまり、大きい順番に並べた、以上が正解です。

[あとがき]
 まず、IRRに数値があるというところから混乱してしまいました。そして本文には書いていないのですが、表に書き込む数値が、年金現価係数ではなく、複利現価係数だという可能性もあるわけです。ただ、プロジェクト①とプロジェクト②のIRR=割引率から年金現価係数だということを理解しなくてはいけないようです。本番の時もこのような問題がでたら混乱しそうですね?山勘を働かせるというわけではないのですが、想像力を膨らませて解答しないといけないようです。
 難しい問題は読み飛ばすというのが方針だったのですが、X(旧ツイッター)でフォローしている方が、1点の差で落ちたというケースを何回か聞いています。できるだけ多くの問題を理解し解けるようにすることに越したことはないでしょう?
 中小企業診断士試験まで、私自身が分からない問題をこのような形で、理解できるように努めていきます。私と同じ場所で躓いている方がいましたら、参考としてください。
 では、また!

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