中小企業診断士2次試験 [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 EVE2です。

 本日から、中小企業診断士二次試験の問題をブログの中で解いていきたいと思います。そんな初日ですが、まず作戦会議です。一応、Studyingからは作戦を授かっているのですが、一通りやってみて、向き不向きがあるような気がしたので、それを踏まえたうえでオリジナルな作戦を立てたいと思います。

[中小企業診断士二次試験]

 中小企業診断士二次試験は、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳとあります。
 事例Ⅰは、企業の経営・戦略が中心で、企業経営理論の知識が必要となります。
 事例Ⅱは、企業の運営、人事管理、組織文化、リーダーシップ、コミュニケーションに関する問題が中心で、事例Ⅰと同様に企業経営理論の知識が必要になります。
 事例Ⅲは、企業のマーケティング戦略や財務分析に関する問題が中心で、市場分析、顧客ニーズ、価格戦略、広告戦略、財務諸表分析など多岐な知識が必要になり、ここでは企業経営理論だけでなく、運営管理財務会計の知識も求められるときもあります。
 そして、事例Ⅳは、総合事例と呼ばれ実際の経営課題に対して全般的な支援を行う形で出題されます。この分野は、内容を一読すると、財務会計の計算問題の実力を試されているように感じますが、その内容は、経営診断と提案、事業計画書作成、多角的な視点からの対応など、総合的な知識が求められることが分かります。
 以上の4種類の問題が出題され、その出題された問題をそれぞれ80分で解答します。
 解答方式は、記述式で、与件文とその与件文に対する問題が出題されます。
 正解率60%以上が合格ラインで、合計240点以上で合格となります。但し、1事例でも40点以下になった場合、事例すべての合計が240点でも不合格になります。逆に、60点以下の事例があったとしても、40点以下の事例がなければ、合計240点以上で合格となります。

[問題概要]

 以上の分野の問題、非常に難しく、1次以上の深い知識が求められます。まっ、1次の試験問題択一なので、消去法で合格の可能性がありますが、事例問題は本当の実力がないと解答することができません。
問題自体は、A4、2~3枚程度でその中で、与件文が2ページ、問題が1ページといった構成になりますが、近年与件文、解答の文字数が増えつつあるような気がしています。
 解答欄は、原稿用紙のようなマス目になっており、そこに制限文字数の90%以上を書くことが合格ラインだと想定されます。その文字数ですが、少ないものは30文字、多ければ200文字といった感じです。
 比較的に解答の文字数が少ないと思われた方もいると思いますが、与件文からの考察を的確に解答用紙に反映し、かつ、90%以上のマス目を埋めなくてはいけないのは、非常に難しいと言わざるをえません。
 そして、この二次試験ですが、採点の基準が公表されておらず、どのような解答が100点なのかは、出題者しか知らない状況で、各予備校からの模範解答はかなり違うという印象です。
 以上から、解答に悩む以前に、どのような勉強をしたらいいのか悩んでしまいます。

[対策会議]

 以上の事例問題を解答するのに、本番を想定し、どのように解答しようか作戦を立てたいと思います。
 試験時間は、80分で、その80分を以下のような流れと時間配分で解答することを想定しています。

❶与件文をざっと読む(6分)
 段落ごとにどんなことが書かれているのか概要をおさえる。

❷問題をざっと読む(5分)
 与件文と問題から解きやすい、点数が高いという観点から解答する問題のプライオリティを設定する。同時に、制約事項等をおさえる。

❸与件文をじっくり読む(10分)
1)問題本文の示す先を探す
2)問題自体のキーワードを与件文から探す

❹❸の検討結果から、❷の制約に基づき解答する。(5分)

以上のような感じでしょうか?❸❹は問題の数分だけ繰り返すのですが、問題が5問あった場合、かなりまずい状況です。ただ、何かしらの解答を書き部分点を取るという方向で考えます。

[令和5年事例Ⅰ]

 以上のような感じで問題を解こうと考えているのですが、今後、ブログで問題を解いて、変わる可能性があります。っていうか、変わるでしょう?そのことを前提に明日から、令和5年事例1から問題を解いていきます。以下が令和5年事例Ⅰの問題になります。


令和5年度事例Ⅰ問題
[企業概要]  A社は、資本金1 千万円、従業員15名(正社員5 名、アルバイト10名)の蕎麦店である。先代経営者は地方から上京し、都市部の老舗蕎麦店で修業し、1960年代後半にのれん分けして大都市近郊に分店として開業した。鉄道の最寄り駅からバスで20分ほど離れた県道沿いに立地し、当時はまだ農地の中に住宅が点在する閑散とした中での開業であった。
 開業当初は小さな店舗を持ちながらも、蕎麦を自前で打っており、コシの強い蕎麦が人気を博した。出前中心の営業を展開し、地域住民を取り込むことで、リピート客を増やしていった。また、高度経済成長によって自家用車が普及する途上にあったことから、多少離れていてもマイカーで来店する顧客も年々増え始め、県道沿いの立地が功を奏した。付近には飲食店がほとんどなかったことから、地元で数少ない飲食店の一つとして顧客のニーズに応えるようになり、蕎麦店の範疇を超えるようになった。うどん、丼もの、カレー、ウナギ、豚カツ、オムライスなどもメニューに加え始め、まちの食堂的な役割を担うようになっていった。
 1980年代には、店舗周辺の宅地化が急速に進み、地域人口が増えるに従って、来店客、出前の件数ともに増加していった。1980年代末には売上高が1億円に達するようになった。客数の増加に伴い店舗規模を拡大し、駐車場の規模も拡大した。店舗の建て替えによって、収容客数は30席から80席にまで拡大し、厨房設備も拡張し、出前を担当する従業員の数もアルバイトを含めて20名にまで増加した。
 しかしながら、1990年代半ばになると、近隣にファミリーレストランやうどんやラーメンなどのチェーン店、コンビニエンスストアなどの競合が多数現れるようになり、売上高の大半を占める昼食の顧客需要が奪われるようになった。バブル経済崩壊とも重なって、売上高が前年を下回るようになっていった。厨房を担当していた数名の正社員も独立するようになり、重要な役割を担う正社員の離職も相次いだため、一時的に従業員は家族とアルバイトだけとなり、サービスの質の低下を招いていった。  現経営者は先代の長男であり、先代による事業が低迷していた2000年代初頭に入社した。売上高が5千万円にまで低下していたことから、売上高拡大のためのさまざまな施策を行ってきた。2008年にかけて、メニューの変更を度々行い、先代が行っていた総花的なメニューを見直し、この店にとってはオペレーション効率の悪い丼もの、うどんなどのメニューを廃止し、出前をやめて来店のみの経営とし、元々の看板であった蕎麦に資源を集中した。
 2005年までに売上高は7千万円にまで改善され設備更新の借り入れも完済したが、他方で従業員の業務負荷が高まり、その結果、離職率が高くなった。常に新規募集してアルバイトを採用しても、とりわけ宴会への対応においては仕事の負担が大きく、疲弊して辞めていく従業員が相次いだ。また、新規のメニューの開発力も弱く、効率重視で、接客サービスが粗雑なことが課題であった。
 2010年に先代が経営から離れ、現経営者に引き継がれると、経営方針を見直して、メインの客層を地元のファミリー層に絞り込んだ。店舗の改装を行い、席数を80から50へと変更し、個室やボックス席を中心としたことで家族や友人など複数で来店する顧客が増加した。使用する原材料も厳選して、以前よりも価格を引き上げた。また、看板となるオリジナルメニューを開発し、近隣の競合する外食店とは異なる、商品とサービスの質を高めることで、差別化を行った。ただ、近隣の原材料の仕入れ業者の高齢化によって、原材料の仕入れが不安定になり、新たな供給先の確保が必要となりつつある。
 社内に関しては、正社員を増やして育成を行い、仕事を任せていった。経営者の下に接客、厨房、管理の3部体制とし、それぞれに専業できるリーダーを配置してアルバイトを統括させた。接客リーダーは、全体を統括する役割を担い、A社経営者からの信任も厚く、将来は自分の店を持ちたいと思っていた。他方で、先代経営者の下で働いていたベテランの厨房責任者が厨房リーダーを務め、厨房担当の若手従業員を育成する役割を果たした。管理リーダーは、A社の経営者の妻が務め、会社の財務関係全般、計数管理を行い、給与や売上高の計算などを担った。A社経営者は、接客リーダーとともに会社として目指す方向性を明確にし、目的意識の共有や意思の統一を図るチームづくりを行った。その結果、チームとして相互に助け合う土壌が生まれ、従業員が定着するようになった。とりわけ接客においては、自主的に問題点を提起し解決するような風土が醸成されていた。現経営者に引き継がれてから5 年間は前年度の売上高を上回るようになり、2015年以降、安定的に利益を確保できる体制となった。
 コロナ禍においては、営業自粛期間に開発した持ち帰り用の半調理製品の販売などでしのいだが、店舗営業の再開後も、主に地域住民の需要に支えられて客足が絶えることはなく、逆に売上高を伸ばすことができた。ただ、原材料の高騰がA社の収益を圧迫する要因となっていた。さらに、常連である地元の顧客も高齢化し、新たな顧客層の取り込みがますます重要となっていった。
 そのような状況の中で、かつて同じ蕎麦店からのれん分けした近隣の蕎麦店X社の経営者が、自身の高齢と後継者不在のために店舗の閉鎖を検討していた。A社経営者に経営権の引き継ぎが打診されたため、2023 年より事業を譲り受けることとなった。A社の経営者は、X社との経営統合による新たな展開によって、これまで以上の売上高を期待できるという見通しを持っていた。
 X社はA社から3kmほどの距離に位置し、資本金1 千万円、従業員12名(正社員4名、アルバイト8 名)の体制で経営していた。店舗は50席で一見の駅利用者や通勤客をターゲットとしており、A社よりは客単価を抑えて顧客回転率を高めるオペレーションであったため、接客やサービスは省力化されてきた。原材料の調達については、X社経営者の個人的なつながりがある中堅の食品卸売業者より仕入れていた。この食品卸売業者は、地元産の高品質な原材料をも扱う生産者と直接取引をしていた。社内の従業員の業務に関しては、厨房、接客、管理の担当制がありX社経営者が定めた業務ルーティンで運営されていた。厨房、接客、管理の従業員は担当業務に専念するのみで横のつながりが少なく、淡々と日々ルーティンをこなしている状況であった。店舗レイアウトやメニューの変更などの担当を横断する意思疎通が必要な場合、X社経営者がそれを補っていた。

 10年前に駅の構内に建設された商業ビル内に、ファーストフード店やチェーン経営の蕎麦店が進出して競合するようになり、駅前に立地しながらも急速に客足が鈍くなり売上高も減少し始めていた。この頃から、X社では価格を下げて対応を始めるとともに、朝昼から深夜までの終日営業に変更した。ただ、駅構内に出店した大手外食チェーンとの価格競争は難しく、商品やサービスの差別化が必要であった。営業時間が、早朝から夜遅くまでであったことから、アルバイト従業員のシフト制を敷いて対応していたが、コロナ禍の影響でさらに来店客が減少し、営業時間を大幅に短縮し、アルバイトの数を16名から8 名に減らしてシフト制を廃止していた。ただ、営業時間内は厨房も接客もオペレーションに忙殺されることから、仕事がきついことを理由に離職率も高く、常にアルバイトを募集する必要があった。

 近年では、地域の食べ歩きを目的とした外国人観光客や若者が増え始めた。とりわけSNSの口コミやグルメアプリを頼りに、公共交通機関を利用する来訪者が目立つようになった。X社を買収後の経営統合にともなって、不安になったX社の正社員やアルバイトから退職に関わる相談が出てきている。A社ではどのように経営統合を進めていくべきか、中小企業診断士に相談することとした。

問題
第1 問(配点20 点)
 統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。

第2 問(配点20 点)
 A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100字以内で述べよ。

第3 問(配点20 点)
  A社経営者は、経営統合に先立って、X社のどのような点に留意するべきか。100字以内で助言せよ。

第4 問(配点40 点)
 A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。
(設問1) どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ。

(設問2) 今後、どのような事業を展開していくべきか。競争戦略や成長戦略の観点から100字以内で助言せよ。

(令和5年度 中小企業診断士2次筆記試験 事例1より引用)

[あとがき]

 以上の作戦に基づき、明日から、令和5年事例Ⅰから解答していきます。
 一日目は、作戦会議の❶~❸をブログ更新許容時間の範囲内で実施します。
 二日目は、❸の残りと、❹を実施します。そして、その実施した内容をChatGPT、Gemini、そしてCopilotに採点してもらい、その採点の中ぐらいのものを正とし、反省の材料とします。
 三日目は、反省会とします。
 なお、事例Ⅳは、ブログとは別に、毎日実施します。事例Ⅰ~Ⅲを解くにはまだ力不足なのですが、事例Ⅳについては、論外です。後日、手ごたえがでてきたぐらいで、もしかしたら、ブログにするかもしれません。

 スケジュールはやってみた結果変更される可能性があります。今後、ブログのスケジュールですが、以下の通りとなります。なお、今週のみ、火曜日から木曜日までは、月曜日から水曜日のスケジュールで行います。

月曜日 「システムエンジニアが目指す中小企業診断士」(中小企業診断士二次試験事例Ⅰ~Ⅲ)
火曜日 同上
水曜日 同上
木曜日 「ゼロからはじめるシステム開発」または「システムエンジニアから見た社会」
金曜日 同上
土曜日 「システムエンジニアが目指す中小企業診断士」(中小企業診断士一次試験経済学・経営政策統計問題)
日曜日 「ゼロからはじめるシステム開発」(セキュリティ)

スケジュール通りにはなかなかいかないのはよくわかっているのですが、スケジュールを立てないと、方向性が定まらず、だらだらとしてしまいます。まっ、できるだけ守ろうとは思いますが、暖かい目で見守っていただければありがたいです。

 では、また!

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