中小企業診断士試験 令和4年事例Ⅰ ~与件文の分類 解答~ [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 EVE2です。

 本日は、与件文の分類そして、解答までしていきましょう。それでは、早速、与件文を昨日の問題の分類に基づき分類していきます。

[与件文の分類]

①A社の現状
■法人化後
・A社は、サツマイモ、レタス、トマト、苺、トウモロコシなどを栽培・販売する農業法人(株式会社)
・資本金は1,000 万円(現経営者とその弟が折半出資)
・従業員数は40 名(パート従業員10 名を含む)
・A 社の所在地は、水稲農家や転作農家が多い地域である。

■法人化前
・1990年代首都圏の大手流通業に勤めていた現経営者の弟が入社した。
・現経営者が生産を担い、弟は常務取締役として販売やその他の経営管理を担い、二人三脚で経営を行うようになる。
・A 社ではパート従業員だけではなく、家族や親族以外の正社員採用も行い従業員数も増加していた。

①1)A)強みと弱み法人化する前
■強み
・A社の苺は、糖度が高い
・大粒で形状や色合いが良く人気を博した
・県外からの需要に対応するため、
 ┣1970 年代後半にはハウス1 棟
 ┗1980 年代初頭にはハウス2 棟を増設
 →贈答用果物として地元の百貨店を中心に販売され始めた。
 →1980 年代後半にかけて、順調に売上高を拡大することができた。
・1990年代→「人にやさしく、環境にやさしい農業」というコンセプトであった。
 →常務は、販売先の開拓に苦労したが、有機野菜の販売業者を見つけることができた。
・A社は、この販売業者のアドバイスを受けながら、最終消費者が求める野菜作りを行う
 →2000 年代前半に有機JAS とJGAP(農業生産工程管理)の認証を受けた。
・A 社では、地元の菓子メーカーと連携し、同社の栽培するサツマイモを使った洋菓子を共同開発した
・A 社のサツマイモは、上品な甘さとホクホクとした食感があり人気商品であった。
・地元菓子メーカーと開発した洋菓子は、販売開始早々、地元の百貨店から贈答用としての引き合いが入る人気商品となった。
 →この洋菓子は、地域の新たな特産品としての認知度を高めた。

■弱み
・業容の拡大に伴い、経営が複雑化してきた。
・現経営者は職人気質で、仕事は見て盗めというタイプであった。
・従業員間で明確な役割分担がなされていなかった。
 →需給調整の問題も生じてきた
・作物は天候の影響を受ける。
・収穫時期の違いなどによる季節的な繁閑がある。
 →A社では、繁忙期は従業員総出でも人手が足りず、パート従業員をスポットで雇用して対応
・閑散期は逆に人手が余るような状況であった。
 →主要な取引先からは、安定した品質と出荷が求められていた。
・従業員の定着が悪く
・新規就農者を確保することが難しかった
・農業の仕事は、なかなか定時出社・定時退社で完結できる仕事ではない。
・台風などの際には、休日であっても突発的な対応が求められる。
・新参者が地域の農業関係者の中に溶け込み関係をつくることも難しかった。
・A 社では、農業経験者だけではなく、農業未経験者にも中途採用の門戸を開いていたが、帰属意識の高い従業員を確保することが難しかった。
・県の農業大学校の卒業生など新卒採用も始めたが、長く働き続けてくれる人材の確保は容易ではなかった。

■脅威
 1990 年代後半以降、価格競争の影響を受けるようになった。

①1)B)法人化する後
■強み
・2000年代半ばには、有機野菜の販売業者が廃業することになり、A 社はその事業を土地や施設、既存顧客を含めて譲渡
・A 社は、そのタイミングで株式会社化(法人化)
・この取引は、A 社に安定的な収益をもたらすことになった。
・大手中食業者からの信頼も増し、売上高の依存割合が年々増加していった。
・このコロナ禍にあっても、大手中食業者以外の販売先の売上高は減少
 →デリバリー需要を背景に同社からの売上高は堅調であった。

■弱み
・A 社では、大手中食業者への対応に忙殺されるあまり、新たな品種の生産が思うようにできていない状況であった。

■機会
・A 社は、有機野菜の販売業者から事業を引き継いだ際、運よく大手中食業者と直接取引する機会を得た。
・大手中食業者からの要求水準は厳しかったものの、A 社は同社との取引を通じて対応能力を蓄積することができた。

①2)経営状況
・A 社では、直営店や食品加工の分野に展開
・A 社は、2010 年代半ばに自社工場を設置するとともに、地元の農協と契約し倉庫を借りることになった。
・自社工場では、外部取引先からパン生地を調達し、自社栽培の新鮮で旬の野菜(トマトやレタスなど)やフルーツを使ったサンドイッチや総菜商品などを製造し、既存の大手中食業者を含めた複数の業者に卸している。
・作り手や栽培方法が見える化された商品は、食の安全志向の高まりもあり人気を博している。

①3)組織体制
・直販事業
 →常務が中心となって5 名の生産に従事する若手従業員と5 名のパート従業員が兼任の形で従事している。
 ↓
・直営店は、昨年入社した常務の娘(A社後継者)が担当している。
 ┣後継者は、大学卒業後、一貫して飲食サービス業で店舗マネジメントや商品開発の業務に従事してきた。
 ┣農業については門外漢であったものの、現経営者や常務からの説得もあり、40 歳の時に入社した。
 ┣直営店では、サンドイッチや総菜商品、地元菓子メーカーと共同開発した洋菓子
 ┣後継者が若手従業員からの提案を上手に取り入れ
 ┃→搾りたてのトマトジュース、苺ジャムなどの商品を開発し販売
 ┣現在、直営店はA 社敷地の一部に設置されている。
 ┣大きな駐車場を併設
 ┃→地元の顧客に加え、噂を聞きつけて買い付けにくる都市部の顧客も取り込んでいる。
 ┣最近、若手従業員の提案で、オープンカフェ形式による飲食サービス(直営店に併設)を提供
 ┃→消費者との接点ができることで、少しずつではあるがA 社は自社商品に関する消費者の声を取得
 ┣この分野は、着実に売上高を伸ばしてきたが、一方で、人手不足が顕著
 ┗生産を兼務する従業員だけでは対応できなくなりつつあった。
・A 社は、今後も地域に根ざした農業を基盤に据えつつ、新たな分野に挑戦したいと考えている。

②A社の取り巻く環境
・このコロナ禍にあっても、大手中食業者以外の販売先の売上高は減少
 →デリバリー需要を背景に同社からの売上高は堅調であった。

③A社に入社してくる社員とは?
・A 社では、農業経験者だけではなく、農業未経験者にも中途採用の門戸を開いていたが、帰属意識の高い従業員を確保することが難しかった。
・県の農業大学校の卒業生など新卒採用も始めたが、長く働き続けてくれる人材の確保は容易ではなかった。

④A社の取引関係
・大手中食業者からの信頼も増し、売上高の依存割合が年々増加していった。
 →大手中食業者からの要求水準は厳しかったものの、A 社は同社との取引を通じて対応能力を蓄積することができた。
・A 社では、直営店や食品加工の分野に展開

[解答]

 では、早速解答をしていきましょう!

第1問(配点20 点)
 A社が株式会社化(法人化)する以前において、同社の強みと弱みを100 字以内で分析せよ。
《解答》
強みは有機農法を取り入れた農作物や農産物を原材料として使った洋菓子などが贈答品として地元の百貨店で販売。弱みは作業がマニュアル化されていないため均一な品質を保つことができない。従業員の定着率が悪い。


第2問(配点20 点)
 A社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100 字以内で助言せよ。
《解答》
ビニールハウスなどの室内で作れる体制を作り、農業のファクトリー化を進め、天候に左右されない環境を作る。加えて、直販事業でイベント等を行うことにより、地元住民との交流を図り、従業員の定着率を上げる。


現状の問題点を抽出し、同問題点を解決することにより定着することを目指しました。


第3問(配点20 点)
 A社は大手中食業者とどのような取引関係を築いていくべきか、中小企業診断士として100 字以内で助言せよ。
《解答》
大手中食業者の要求にこたえるだけでなく、提案型で仕事を受注し大手中食業者と対等の関係を築く。加えて、収入の面でも他の事業にも力を入れ、大手中食業者からの収益の比率を下げ、依存しない体制を作る。


大手中食業者の経営が、A社に影響に及ぼさないような経営を目指すということを考えました。


第4問(配点40 点)
 A社の今後の戦略展開にあたって、以下の設問に答えよ。

(設問1)
 A社は今後の事業展開にあたり、どのような組織構造を構築すべきか、中小企業診断士として50 字以内で助言せよ。
《解答》
複雑な経営を明確にし各業務を事業部として組織化し仕事を標準化するのと同時に社員の役割を明確にする。


第4問(配点40 点)
 A社の今後の戦略展開にあたって、以下の設問に答えよ。

(設問2)
 現経営者は、今後5 年程度の期間で、後継者を中心とした組織体制にすることを検討している。その際、どのように権限委譲や人員配置を行っていくべきか、中小企業診断士として100 字以内で助言せよ。
《解答》
当初は、直販事業を責任者として担当してもらい、他の事業部は組織として順調に運営できた所から段階的に後継者に委譲し、現経営者は、後継者の補佐的な役職につき、後継者をサポートする体制を作る。

[あとがき]

 ちょっと、時間をかけ過ぎました。明日、答え合わせをします。第4問難しいですね?本番はもっと時間がないので、今日はこの辺で。

 では、また!

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