令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅱ ~総評 考察~ [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 EVE2です。

では早速、昨日の続きで、令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅱについての、各AIからの総評を見ていきましょう。

[考察]

第1問(SWOT分析、各30字以内×4、計20点)
■強み:
1)30字超過(約39字)
2)内容は妥当。地元産大豆と軟水は与件に明示。

★改善案:
・地元産大豆と良質な軟水を使用し製品品質が高い(←29字)

■弱み:
・論理の飛躍。「主婦層が少ない」はX市の課題であってB社の弱みと明示されていない。

★改善案:
 販路は限られており主婦層への接点が少ない(←28字)

■機会:
・発想は良い。リモート浸透と「家庭での食」重視は的を射ている。
・少し字数超過(31字)

★改善案:
 在宅増加により家庭で食事にこだわる人が増加(←29字)

■脅威:
・内容は適切(経験不足)
・30字超過(31字)

★改善案:
 ネット販売の経験がなく運営ノウハウが不足(←29字)


第2問(ネット販売戦略、100字以内、25点)
★指摘と改善点:
・字数オーバー(100字以内)
・文法的にやや冗長で、意味が取りにくい箇所がある(例:「レシ」→「レシピ」?、「未完成のひと手間かけて食べる豆腐製品」→わかりにくい)
・ターゲット像が曖昧。「主婦層」なら、与件にある“料理に関心が高い主婦”とすべき。

★改善案(100字以内):
料理に関心の高い主婦層をターゲットに、地元産大豆使用の手作り体験型豆腐を自社サイトで販売し、豆腐レシピサイトと連携して魅力を訴求する。(100字)


第3問(置き配の高齢者対応、各50字以内、計30点)
■フランチャイジー:
 高齢者が多いためクリーンな環境で製品を取り扱い高齢者との接触を減らす。マニュアルを遵守する

★指摘と改善点:
・フランチャイザー:
・字数オーバー(55字)
・方向性(冷蔵設備やマニュアル化)は妥当

★改善案(50字以内):
 冷蔵保管と置き配手順をマニュアル化し品質を均一化する(←42字)

■フランチャイジー:
・字数オーバー(52字)
・「クリーンな環境」の定義が曖昧

★改善案(50字以内):
 非対面配達を徹底し、衛生管理とマニュアル遵守を徹底する(←44字)


第4問(製品+コミュニケーション戦略、100字以内、25点)
★指摘と改善点:
・字数超過(100字制限に対し約120字)
・✔️「サンプリング→フィードバック→改善」は良いが、製品戦略とコミュニケーション戦略が明確に分かれていない

★改善案(100字以内):
 豆腐菓子を移動販売で試食提供し、SNSやアンケートで意見を回収。顧客の声を基に改良を重ね、地域密着の魅力として発信する。(97字)

文字数オーバーとありますが、どうも、バイト数でカウントしているようです。そのことを指摘したところ、問題ないと解答がありました。

[Geminiからの総評]

第1問(配点20点)
 現状の解答でも部分点は得られると思いますが、満点のためには以下の点を意識すると良いでしょう。

■強み: 良質な軟水と地元産大豆という点は素晴らしいですが、「豆腐を作る」だけでなく、それによって作られた豆腐が過去に品評会で評価されるなど、顧客からの評価や実績に触れると、より説得力が増します。また、小京都のイメージや京都の職人の存在といった地域ブランドも強みとして捉えられます。

■弱み: 主婦層が少ないという点はその通りですが、これは移動販売という販売チャネルにおける弱みと言えます。ネット販売立ち上げにおいては、必ずしも直接的な弱みとは言えません。より直接的な弱みとしては、ネット販売のノウハウや経験がない点、あるいは主婦層に響く商品開発の経験が少ない点などが挙げられます。

■機会: リモートワークの浸透は良い着眼点ですが、これが「手作り豆腐セット」のヒットにつながったという具体的な成功事例に触れると、より深みが増します。また、Y社との連携による地域ブランドへの注目や、健康志向の高まりなども機会として考えられます。

■脅威: ネット販売の経験不足は適切ですが、大手ECサイトの存在や競合となる豆腐メーカーの動きなど、外部環境からの具体的な圧力を挙げると、より分析の視点が広がります。


第2問(配点25点)
 現状の解答でも方向性は悪くありませんが、より具体的に落とし込むことで満点に近づけます。
★ターゲット
 「主婦層が多くアクセスしている豆腐のレシピサイト」というターゲット設定は良いですが、どのようなライフスタイルや価値観を持つ主婦層なのか、もう少し具体的に描写すると、提案の精度が上がります。(例:健康志向、食の安全に関心が高い、時短ニーズがあるなど)

★商品
 「未完成のひと手間かけて食べる豆腐製品」というアイデアは面白いですが、具体的にどのような商品で、どのような点が「地元産大豆とおから」の魅力を伝えられるのかを説明する必要があります。(例:大豆本来の甘みや風味を楽しめる寄せ豆腐の手作りセット、おからを使ったヘルシーなスイーツキットなど)

★販売方法
 レシピ公開と広告宣伝は有効ですが、自社サイトで「X市の魅力、自社製品の魅力を発信する」だけでは具体性に欠けます。どのような情報を発信するのか(例:生産者のこだわり、地域の食文化、豆腐を使ったアレンジレシピなど)、どのように購入につなげるのか(例:限定特典、定期購入の提案、SNSでの情報発信など)を具体的に記述しましょう。


第3問(配点30点)
 現状の解答は安全面に配慮しており一定の評価は得られますが、高齢者顧客に寄り添った提案をすることで満点に近づけます。
(a) フランチャイザー
 冷凍設備は品質維持に重要ですが、高齢者にとって冷凍庫の操作や解凍の手間が負担になる可能性も考慮する必要があります。冷蔵での置き配を基本とし、冷凍が必要な商品については、分かりやすい説明や注意喚起を添えるなどの工夫が求められます。
手順のマニュアル化は重要ですが、それだけでなく、高齢者への丁寧な説明方法や、問い合わせ窓口の設置など、サポート体制の整備も重要です。

(b) フランチャイジー
 清潔な環境での取り扱いは当然として、高齢者との接触を減らすだけでなく、安心感を与える丁寧な対応が求められます。例えば、配達前に電話で到着時間を連絡する、インターホン越しに声かけをするなど、コミュニケーションを工夫することが重要です。
マニュアル遵守は基本ですが、高齢者一人ひとりの状況に合わせた柔軟な対応も検討すべきです。例えば、指定された場所に置くだけでなく、手渡しを希望する顧客には可能な範囲で応じるなど、臨機応変な対応が信頼関係構築につながります。


第4問(配点25点)
 現状の解答は顧客の声を取り入れるという点で良いですが、製品戦略とコミュニケーション戦略が十分に連携していません。

★製品戦略
 サンプリングによる顧客の声の収集は有効ですが、どのような種類の豆腐菓子を開発するのか、具体的なアイデアが必要です。(例:ヘルシーさを訴求したおからクッキー、地元の食材と組み合わせた豆腐のチーズケーキなど)また、移動販売という特性を活かし、手軽に購入できる個包装にするなどの工夫も考えられます。

★コミュニケーション戦略
 アンケートやスマートフォン経由での感想回収は、高齢者層にはハードルが高い可能性があります。移動販売の現場で直接対話を通じて意見を聞いたり、チラシや回覧板を活用したりするなど、ターゲット層に合わせたコミュニケーション手段を検討する必要があります。また、試食だけでなく、商品のコンセプトやこだわりを伝えることも重要です。

[Copilotからの総評]

第1問(SWOT分析)
★指摘点:
・強み
 「豆腐をするに必要な」という表現は少し曖昧。「豆腐製造に適した良質な軟水と高品質の地元産大豆を活用できる」と簡潔にすると明確になります。

・弱み
 X市の人口構成を踏まえた「主婦層の少なさ」を課題とするのは適切。ただし、単なる少なさよりも「ターゲット層の不足」といった視点を強調すると戦略的な分析になります。

機会
 「リモートの浸透により、自宅で食事にこだわる家庭が増加」は適切ですが、より具体的に「巣ごもり需要の拡大を活かし、こだわり食材の市場が拡大している」など、ビジネスチャンスとの関連性を強めると良いでしょう。

脅威
 「自社でインターネット経由で商品を販売した経験がない」は正しい指摘ですが、「オンライン販路に関するノウハウ不足による市場開拓の困難」など、影響まで踏み込むとより評価が高くなる可能性があります。


第2問(ネット販売戦略)
★指摘点:
 「主婦層が多くアクセスしている豆腐のレシピを公開しているサイト」との関連付けは良いですが、「主婦層の購買行動を考慮し、調理の手間を楽しむ層に向けた商品設計を行う」といったターゲットの明確化を加えるとより良くなります。
 「広告宣伝する」だけではなく、具体的な「SNSや料理系サイトでの紹介」など販促手段を示すと説得力が増します。

★ポイント
 「X市の魅力と豆腐文化をセットで発信する」点は良い着眼ですが、売れる仕組みを強調するとより実践的な助言になります。


第3問(置き配導入時の対応)
★指摘点:
・フランチャイザー
 「豆腐は傷みやすいため冷凍設備を用意する」は適切ですが、「冷蔵ボックスの保冷性能を強化し、衛生管理を徹底する」とより具体的な取り組みが評価される可能性があります。

・フランチャイジー
 「クリーンな環境で製品を取り扱い、高齢者との接触を減らす」という表現は適切ですが、「非接触型注文・決済システムを導入し、高齢者の利便性を向上させる」など、課題解決策を具体的に盛り込むとより良くなります。


第4問(製品戦略とコミュニケーション戦略)
★指摘点:
・「アンケートを回収し、製品に反映後再度サンプリングする」は良い着眼ですが、「試食会やSNSキャンペーンを活用し、口コミ拡散を促進する」といったマーケティング視点を加えるとより効果的な助言になります。
・「売れる商品を開発する」ではなく、「消費者の嗜好を分析し、需要の高い商品を確立する」と言い換えるとよりプロフェッショナルな印象になります。


■総評  総じて、あなたの回答は与件文をしっかり活用できています!満点を狙うためには、少し視点を深めたり、具体的な施策を補強するとより高得点の可能性が高まります。調整すれば、完璧な解答になると思いますよ!どう思いますか?

[考察]

第1問(配点20点)
 2021 年(令和3 年)8 月末時点のB 社の状況を、移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げを目的としてSWOT 分析によって整理せよ。①~④の解答欄に、それぞれ30 字以内で述べること。
《私の解答》
[強み]豆腐をするに必要な良質な軟水と地元の品質のいい大豆を使用可能
[弱み]X市の人口部分布を踏まえると主婦層が少ない
[機会]リモートの浸透を受け、自宅で食事にこだわりを持つ家庭が増えた
[脅威]自社でインターネット経由で商品を販売した経験がない。
《採点》
・ChatGPT 15点
・Gemini 20点
・Copilot 15~18点
《ChatGPTの解答》
[強み]良質な軟水と地元産大豆を活用可
[弱み]主婦層が少なく販売拡大に課題
[機会]在宅増で家庭料理への関心が高い
[脅威]EC販売や物流のノウハウが不足
《Geminiの解答》
[強み]良質な軟水と地元産高品質大豆による差別化された豆腐製造技術
[弱み]主婦層顧客の少なさとECサイト構築・運営ノウハウの不足
[機会] リモートワーク普及による自宅食ニーズの高まりとEC市場拡大
[脅威]大手ECサイトの競争激化と試食販売自粛による顧客接点減少
《Copilotの解答》
[強み]良質な軟水と地元産大豆を活用した豆腐作りの強みを持ち、京都文化を背景にしたブランド力を有する
[弱み]主婦層の顧客が少なく、ネット販売のノウハウ不足とIT技術の活用が課題。
[機会]リモートワークの普及により家庭での食事にこだわる消費者が増加。健康志向の高まりにより質の良い豆腐への関心が拡大
[脅威]コロナ禍による対面販売の制約や、ネット販売の未経験による競争力不足
《考察》
ちょっと、いろいろと気になるところがありますね?私の解答としては、以下の点が気になりました。
  • 弱みとして、主婦層が少ないとしたが、「顧客として」と一言付けくわえればよかった。
  • これからネット販売を使用としているのだから、ネットの経験や、技術などに触れればよかった。
  • 言い回しをもっと工夫すればよかった。
そして、各AIの解答では、以下の点が気になりました。
  • Copilotが健康志向という用語が出てきているのですが、与件文に記述がありません。
文字数が少ないため、書き方をもっと工夫したほうがいいようです。例えば、機会などでは、巣ごもり需要の拡大によりこだわりをもつ家庭が拡大しているといった広がりを持たせれば、もっといい解答になったかもしれません。
第2問(配点25点)
 B社社長は社会全体のオンライン化の流れを踏まえ、ネット販売を通じ、地元産大豆の魅力を全国に伝えたいと考えている。そのためには、どの商品を、どのように販売すべきか。ターゲットを明確にした上で、中小企業診断士の立場から100 字以内で助言せよ。
《私の解答》
主婦層が多くアクセスしている豆腐のレシを公開していると複数サイトに地元産の大豆とおからを使用した未完成のひと手間かけて食べる豆腐製品を広告宣伝する。自社のサイトからX市の魅力、自社製品の魅力を発信する。
《採点》
・ChatGPT 12点
・Gemini 15点
・Copilot 18~22点
《ChatGPTの解答》
健康志向の高い30〜50代主婦層向けに、地元産大豆を使った豆腐とおからのセットを販売。自社ECサイトと健康系SNSでレシピ紹介と共に訴求し、地域ブランドも強化する。
《Geminiの解答》
食に関心が高い30~40代の主婦層をターゲットに、手作り豆腐セットとX市の特産品を組み合わせたギフト商品を企画し、ストーリー性のあるECサイトで販売します。SNSでレシピや地域の魅力を発信し、共感を醸成することで全国の顧客を獲得します。(100字)
《Copilotの解答》
ターゲットは健康志向の高い主婦層およびグルメ層とし、手作り豆腐セットをECサイトで販売する。レシピ動画やSNSを活用し、調理過程を発信することで、購入の動機付けを強化。また、定期購入プランを導入し、継続的な購入を促す。
《考察》
各AIも記述がないのですが、Y社の存在を完全に忘れていました。Y社に、社屋等を売却し、水を提供しているという状況では、ある意味協力会社と言っていいでしょう?そのY社は、ネット販売で実績があり、その実績があるY社と協力して販売するなどといった記述の方がよかったかもしれません。今思うと、Studyingの解答はそのようになっていたような気がします。
第3問(配点30点)
 B社のフランチャイズ方式の移動販売において、置き配を導入する場合に、それを利用する高齢者顧客に対して、どのような取り組みを実施すべきか。中小企業診断士の立場から(a)フランチャイザー、(b)フランチャイジーに対して、それぞれ50 字以内で助言せよ。
《私の解答》
[フランチャイザー]
豆腐は傷みやすいたため冷凍設備を用意する。手順をマニュアル化し各フランチャイジーの品質を均一化する。
[フランチャイジー]
高齢者が多いためクリーンな環境で製品を取り扱い高齢者との接触を減らす。マニュアルを遵守する
《採点》
・ChatGPT 20点
・Gemini 20点
・Copilot 22~26点
《ChatGPTの解答》
[フランチャイザー]
置き配対応手順をマニュアル化し、保冷容器の使用を義務付け、品質管理を徹底する。
[フランチャイジー]
配達前後に高齢者へ連絡を徹底し、清潔な環境下で製品管理し、安全な置き配を行う。
《Geminiの解答》
[フランチャイザー]
保冷・防水機能付き専用ボックスを開発・提供し、配達時間帯の柔軟な設定や電話での事前連絡を義務化する。安否確認を兼ねた見守りサービスも検討する。(
[フランチャイジー]
配達完了を電話で確実に伝え、開封・保管方法を丁寧に説明する。対面販売時と同様の親身なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を維持する。
《Copilotの解答》
[フランチャイザー]
冷蔵ボックスを導入し、温度管理の基準を設ける。高齢者向けに電話注文と定期配送サービスを整備し、利便性を向上させる。
[フランチャイジー]
高齢者の生活リズムに合わせ、柔軟な配達時間を設定。定期購買者に対し、健康面を考慮した商品提案や電話フォローを実施。
《考察》
置き配してから、置き配した製品を顧客がピックアップまでのプロセスを考えていなかった。加えて、今回はB社やフランチャイジーへのマニュアルだけに触れているが、高齢者への説明や文章、問い合わせ窓口の設置などのサポート体制についてもっと踏み込んだ方がいいかもしれない。
第4問(配点25点)
 B社ではX市周辺の主婦層の顧客獲得をめざし、豆腐やおからを材料とする菓子類の新規開発、移動販売を検討している。製品戦略とコミュニケーション戦略について、中小企業診断士の立場から100 字以内で助言せよ。
《私の解答》
豆腐菓子のサンプルを製品販売時に顧客に提供しその感想をアンケートまたはスマートフォン経由で回収する。回収後は同内容を製品に反映後再度サンプリングするといったサイクルを繰り返し売れる商品を開発する。
《採点》
・ChatGPT 18点
・Gemini 15点
・Copilot 18~22点
《ChatGPTの解答》
主婦層向けに豆腐やおから使用の低カロリー菓子を開発。移動販売時に試食を提供し、スマホやSNSを活用して感想を収集、商品改良につなげ、口コミ拡大を図る。
《Geminiの解答》
健康志向の主婦層向けに、地元産大豆の風味を活かした低糖質・高タンパク質の豆腐やおから菓子を開発し、移動販売で対面販売する。試食提供やレシピ紹介に加え、SNSで商品の魅力や地域情報を発信し、口コミを促進する。
《Copilotの解答》
製品戦略として、低糖質・高タンパクの健康志向の豆腐菓子を開発。試食イベントを開催し、顧客の声を収集しながら改良を重ねる。コミュニケーション戦略として、SNSを活用し、レビュー投稿を促す。インフルエンサーと協力し認知度を高める。
《考察》
私は、サンプリング戦略で販売促進をしようとしたが、各AIは、主婦というキーワードから、低カロリーや、健康志向というキーワードで製品を開発し販売促進を図っているという点で私とかなり違うという印象である。コミュニケーション戦略では、口コミというキーワードを忘れてはいけないでしょう?

[あとがき]

 今回の問題、解いた後、なんか難しいと言った印象でした。その難しい点がなんなのかは明確には言えないのですが、今後の課題としたい。

 では、また!

コメント