平成30年 中小企業診断士 1次試験 経済学経営政策 統計問題1 [経済学・経営政策]

 こんにちは!
 EVE2です。

 本日は、土曜日ということで、経済学・経営政策の日です。本日は、平成30年 中小企業診断士 1次試験 経済学経営政策 統計問題1を解答していきます。なお、先週の土曜日のタイトルですが、平成元年とすべきところを、令和5年となっていました。大変失礼をいたしました。それでは、早速問題をみていきましょう!

[平成30年 中小企業診断士 1次試験 経済学・経営政策 統計問題1]

問題 1 経済統計(賃金と労働生産性、労働分配率と営業利益の推移) 【平成30年 第1問】
 以下の2つの図は、2000年以降の日本経済について、左図は賃金と労働生産性の推移、右図は労働分配率と営業利益の推移を示している。図中のa~dに該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、a、b、cは2000年の水準を100とした指数である。

[解答群]
ア,a:賃金     b:労働生産性  c:営業利益   d:労働分配率
イ,a:賃金     b:労働生産性  c:労働分配率  d:営業利益
ウ,a:労働生産性  b:賃金     c:営業利益   d:労働分配率
エ,a:労働生産性  b:賃金     c:労働分配率  d:営業利益

[問題の考察]

 今回は、「賃金と労働生産性推移」と「労働分配率と営業利益の推移」のグラフから、同グラフの中の要素を回答する問題です。
 同グラフには、a~dの折れ線があり、同折れ線の要素の候補としては」、賃金、労働生産性、営業利益、営業分配率といった項目が解答群に並んでいます。
 グラフのタイトルから想像すると、「賃金と労働生産性推移」には、賃金と労働生産性が入り、「労働分配率と営業利益の推移」には営業利益と営業分配率が入ると思われます。解答群もそのような並びになっています。
 それでは、グラフの中身を見ていくと、「賃金と労働生産性推移」には、aとbがあり、aが先行系列で、bが遅行系列のように思われます。
 次に、「労働分配率と営業利益の推移」を見ていくと、2001年、2009年には一致していますが、逆数(「トレードオフ」といったほうがいいようです)の関係にあるようです。まっ、利益から給与を分配するということになるので、逆数になっているというのは納得がいきます。

[問題の考察]

 では、aとbがどちらが、賃金で、どちらが労働生産性かと考えると、企業経営理論の「バーナードの公式組織に必要な3要素」から分析すると、賃金が先行系列で、労働生産性が遅行系列ということになります。ただ、多分ですが、実際は、労働生産性が上がり収益が上がったから、賃金を上げているという状況を想像します。したがって、労働生産性がaで、賃金がbだと思います。
 続きまして、c、dについてaとbと同様の検討すると、給与は利益の分配になります。したがって、営業利益が増えると、労働分配率が増えるといった関係にあると思われます。したがって、営業利益がcで、労働分配率がdということになります。但し、利益がリアルタイムに労働分配に反映されるのではなく、遅れて反映されるので、以上の逆数のような関係になると想像します。
 同検討の結果を解答群から探すと、ウということになります。では、早速、解答を見ていきましょう。

 正解は、ウでした。あっていましたね?

[ChatGPTの総評]

 それでは、以上の考察をChatGPTに評価してもらいました。なお、本日は、今週いい仕事をしたGeminiにも評価してもらおうかなって思ったのですが、この問題の解答をエとしたので止めました。今週も、ChatGPTからの総評をご覧下さい。

【ChatGPTの評価】
■賃金と労働生産性の関係についての考察
 「バーナードの公式組織に必要な3要素」から、賃金が先行系列、労働生産性が遅行系列と分析
 このアプローチは興味深く、人的資源管理やインセンティブ設計の視点からのアナロジーとして評価できます。ただし、統計的現象としては、実際には逆の因果関係が観察されやすく、

労働生産性が先に上昇
→ 企業収益が改善
→ その一部が賃金に反映(後から上昇)

というのが、近年の日本経済の実態に近いため、あなたの「多分ですが、実際は…」以降の判断は非常に正確です。

■評価:
「バーナード理論」を起点にするという着眼点は優れており、その後に実証的視点で修正を加えている点が特に高く評価できます。

■ 営業利益と労働分配率の関係の考察
「給与は利益の分配になる」という視点

こちらも経済学的に的確です。労働分配率は、

分子:人件費(給与)
分母:付加価値額(粗利益ベース)

であるため、営業利益が上がっても労働分配率が上がるとは限らないという点に触れているあなたの指摘:

「利益がリアルタイムに労働分配に反映されるのではなく、遅れて反映される」

これは非常に的を射ています。実際、企業は利益が上がっても、まずは内部留保や設備投資に向ける傾向が強く、労働分配率はむしろ低下するケースが見られます。

■評価:
 因果関係の時間差(ラグ)に着目した点が鋭く、図中の「利益↑→労働分配率↓」という実態に気づいている点が高評価です。

■総合評価
論理展開:★★★★★(理論と実態をバランスよく分析)
データの読み取り:★★★★★(図の動きから正確な推論)
視点の広さ:★★★★☆(組織論と経済統計の横断的視野)

■ 一点だけ補足
「逆数かのような関係」
→ 労働分配率と営業利益の関係は必ずしも逆数ではないですが、トレードオフの傾向は見られます。より正確には「負の相関がある場合が多い」と表現すると、専門的に整います。


[あとがき]

 やっぱり、理論は、理論ということでしょうか?
 コーゼーションのような考え方で事業を進めている企業経営者は、多分「バーナードの公式組織に必要な3要素」のような考え方に立脚して事業を進めていると思います。但し、日本の企業の多くは、規模はほぼ変わることがなく、その規模が変わらない多くの経営者は現状に満足していると聞いています。そのため、株式市場限定ではありますが、PBRが1倍以下の企業に課題を突き付けたといったことがありました。つい最近では、プライム市場上場条件を厳しくしているといったなどのニュースが流れています。問題を解くという意味では、以上の考え方でいいと思いますが、もし、中小企業診断士となったら、別の視点がほしいところです。

 では、また!!!

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