令和元年 中小企業診断士 1次試験 経済学経営政策 統計問題2 [経済学・経営政策]

 こんにちは!
 EVE2です。

 本日は、土曜日ということで、中小企業診断士 1次試験 統計問題の日です。本日は、令和元年から問題2です。では、早速問題を見ていきましょう!

[令和元年 中小企業診断士 1次試験 問題2問]

問題 2 中国の貿易相手国・地域のシェア【令和元年 第2問】
 国際経済に大きな影響を与える国の1つとして、中国の経済動向は重要である。下図は、中国の貿易相手国・地域のシェア(2017年)を示している。図中のa~cに該当する国・地域の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

[解答群]
ア,a:EU     b:アメリカ    c:日本
イ,a:EU     b:日本      c:アメリカ
ウ,a:アメリカ  b:EU       c:日本
エ,a:アメリカ  b:日本      c:EU

[問題の確認]

 それでは、令和元年 経済学・経営政策 問題2にはどんな内容が書かれているのか、見ていきましょう!
 問題は、中国との輸出、輸入の比率がどの国がどのくらいなのか答える問題です。主語は中国で、中国目線のグラフのようです。
 円グラフがあり、輸入は、a19%、b17%と続き、そのあとにASEAN12%が続きます。そのあとに、香港12%、c6%が続き、韓国5%、その他20%という順番になっています。
 輸出は、b13%、ASEAN13%、韓国10%、c9%、台湾9%、a8%、その他38%となっています。

 解答は、a~cに該当する国を答えるのですが、その国が設問に、EU、アメリカ、日本という国が用意されています。

[問題の考察]

 それでは、問題の中身を見ていきましょう!
 同グラフは、新型コロナ感染症発生前の2018年の統計です。まっ、現在と同じような輸出入がされていたのでしょう?そんな2018年の、まずは、aから見ていきます。 
 aは、中国からの輸入が一番多く、中国への輸出a~cの中で一番小さい扱いとなっています。
 輸入が一番多い国といったら、多分アメリカでしょう?トランプさんが、中国に一時100%以上の関税をかけている状態から考えて、かなりの額を輸入し、貿易収支のマイナス幅が半端ない状態だと想像されます。そんなaですが、輸出は、台湾の次ですか?確かに、アメリカが、中国に売れるものが想像できないのですよね?車は皆無だということが想像できますし、唯一あるとしたら、飛行機なのですが、数が限定されます。まっ、こんな感じなのでしょう?
 次にbですが、bは、アメリカの次に輸入が多く、かつ、輸出は一番多い状態となっています。つい先日ブログの中で話しましたが、日本は中国へかなりの額を輸出しています。それは、キーエンスという会社が、ここ10年ぐらいの間に、社員の平均給与を数百万円から、2,000万円へ押し上げたぐらいのインパクトがあります。そして、輸入については、距離的に近く中国人との交流が盛んという状況から、2番でもおかしくないと思います。ただ、アメリカが19%の輸入で、日本が17%だとすると、そんなに輸入できるかなとも思ってしまいます。
 そして最後に、cですが、輸入は5番目で、香港の次で、輸出は、4番目で、韓国の次という状況です。もっと多いような気がするのですが、消去法で考えると、cがEUになります。

[解答]

 以上から、aがアメリカ、bが日本、そして、cがEUという解答になり、解答はエとなります。EUという項目が、ドイツだったら、しっくりくるのですが、今回はかなり自信がありません。では、早速解答を見ていきましょう!
 正解は、ウでした。やはり、懸念した通り、EUという単位でみると、日本以上に貿易が盛んなようです。

[思考プロセスの検証]

 それでは、どうして間違ったのか、ChatGPTに分析をしてもらいました。

【誤答してしまった理由の考察】
①「アメリカ=輸入が多い」という前提の誤り
 あなたは、以下のように考えました:
 アメリカは関税戦争をしていた → それでも輸入が多い → 輸入比率が高いはず → a(輸入が多い)=アメリカ
→実際には、中国のアメリカからの輸入比率はあまり高くありません(8%程度)。これは、中国がアメリカから買うものが限定的だからです(大豆、航空機、半導体部品など)。あなたもその点を一部予測していましたが、「関税戦争=アメリカからの輸入が多い」というのは因果の逆です。

②「日本=中国への輸出が多い」という過大評価
あなたは:
日本は中国に大きく輸出している → b(輸出1位)が日本?
→確かに日本は中国に多く輸出していますが、アメリカやEUの方が中国の貿易相手としてはシェアが大きいです。
→これは、印象と実データのずれです。輸出量の「絶対額」ではなく、「割合(シェア)」で見ないと誤認します。

③ c=EUという判断ミス(消去法の誤適用)
あなたは:
・残ったcがEUっぽい → 消去法で当てはめよう
→「消去法」は有効ですが、前提が間違っているとすべてがずれます。aとbの国を誤認したため、cも誤ったということです。

【正解に導く秘訣】
1. 「思い込み」より「数値」に注目する
・たとえば輸出の a=19% → 世界のどの国がこの割合を占めうるか?
・日本?EU?アメリカ? → アメリカが最も可能性大

2. 「世界の貿易構造」を基礎的に押さえる
・中国の貿易相手国ランキング(大まかな順位感):
・輸出先:アメリカ > EU > ASEAN > 日本
・輸入先:EU ≒ ASEAN > 日本 > アメリカ

このような傾向は安定しており、過去問や統計資料を複数年見るとわかる

3. 輸出入をセットで照らし合わせる
・例えば「a=輸出19%、輸入8%」→ 輸出が多く輸入が少ない → アメリカらしい構造
・「b=輸出17%、輸入13%」→ 双方とも大きい → EUが該当しやすい

4. 「地域名(ASEANなど)」のラベルをヒントに使う
・b=13%で「ASEAN」と書いてある → ここが ASEAN だとすれば、a・c に ASEAN は含まれない
・確定情報はまず固定して消去法の基盤にする

■まとめ:あなたの解答の強みと弱み
観点 評価
データを丁寧に読む力 ◎ 優れています
歴史的・経済的背景の考察 ○ 良い視点
想像力や推理力 ○ あり
数値の精密な検討 △ 惜しい部分(%の実データとのすり合わせ不足)
思い込みによる判断 △ 要注意(「関税戦争=輸入多い」など)

■今後の対策
・時事知識を「割合(%)」とともに覚える
・円グラフは「最大→どこ?」「バランスが取れている→どこ?」をセットで考える
・根拠に迷ったら「ASEAN」などラベル付きのデータから埋めていく

[あとがき]

 ChatGPTの分析の一部に、ちょっと、おかしい点はありますが、確かにそうだと思う内容として、数値の厳密な検討、思い込みによる判断について指摘されました。まっ、この問題のEUが、ドイツとかになっていれば、解答のとっかかりがあったのですが、EUというヨーロッパ諸国まとめて考えた場合、情報量が不足していました。今後、ニュースを見るというのも当然必要なのですが、できるだけ、ChatGPTが指摘してくれた内容で、統計に触れていきたいと思います。

 では、また!

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