令和5年 中小企業診断士 二次試験 事例Ⅳ 第2問 設問2(1)の分析 [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは
 EVE2です。

 本日は、令和5年 中小企業診断士 二次試験 事例Ⅳ 第2問 設問2の解答方法について、検討を進めていきたいと思います。
 それでは、早速各AIに、解答方法の型、パターンについて、提案してもらいましょう!でも、その前に、問題の確認をしましょう!

[令和6年 中小企業診断士 2次試験 事例Ⅳ 第2問 設問1]

 以下が、設問2です。

2次基礎講座_令和5年度_事例4  D社は、資本金1 億円、総資産約30億円、売上高約45億円、従業員31名の、化粧品を製造する創業20年の企業である。D社は独自開発の原料を配合した基礎化粧品、サプリメントなどの企画・開発・販売を行っており、製品の生産はOEM生産によっている。
 同社は大都市圏の顧客をメインとしており、基本的に、卸売会社を通さずに、百貨店やドラッグストアなどの取り扱い店に直接製品を卸している。また、自社ECサイトを通じて美容液の定期購買サービスも開始している。
 直近では、実店舗やネット上での同業他社との競争激化により販売が低迷してきており、このままでは売上高がさらに減少する可能性が高いと予想される。また、今後は、輸送コストが高騰し、原材料等の仕入原価が上昇すると予想される。しかし、D社では、将来の成長を見込んで、当面は人件費等の削減は行わない方針である。
 D社の主力製品である基礎化粧品は、従来、製品のライフサイクルが長く、新製品開発の必要性もそれほど高くなかった。しかし、高齢化社会の到来とともに、近年では、顧客の健康志向、アンチエイジング志向が強まったため、他のメーカーが次々に新製品を市場に投入してきており、競争が激化している。
 こうした状況に対応するため、D社では男性向けアンチエイジング製品を新たな挑戦として開発し販売することを検討している。男性向けアンチエイジング製品は、これまでD社では扱ってこなかった製品分野であるが、バイオテクノロジーを用いて、同製品の基礎研究を進めてきた。
 化粧品業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルスの感染拡大などにより厳しい状況にあったが、中長期的には市場の拡大が見込まれている。しかし、当該男性向けアンチエイジング製品は、今までにない画期的な製品であり、市場の状況が見通せない状況であるため、慎重な検討を要すると考えている。
 D社では、この新製品については、技術上の問題からOEM生産ではなく自社生産を行う予定であり、現在、そのための資金の確保を進めている。D社社長は、同業他社との競争が激化していることもあり、早急にこの設備投資に関する意思決定を行うことが求められている。
 D社の直近2期分の財務諸表は以下のとおりである(令和3年度、令和4年度財務諸表)。D社社長は、自社が直面しているさまざまな経営課題について、特に財務的な観点から中小企業診断士に診断・助言を依頼してきた。

(設問2 )
 D社のサプリメントの製品系列では,W製品,X製品,Y製品の3種類の製品を扱っている。各製品別の損益状況を損益計算書の形式で示すと、次のとおりである。ここで、この3製品のうち、X製品は営業利益が赤字に陥っているので、その販売を中止すべきかどうか検討している。
 X製品の販売を中止してもX製品に代わる有利な取り扱い製品はないが、その場合にはX製品の販売によってX製品の個別固定費の80%が回避可能であるとともに、X製品と部分的に重複した効能を有するY製品に一部の需要が移動すると予想される。

(1)需要の移動がないとき、X製品の販売を中止すべきか否かについて、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して答えるとともに、20字以内で理由を説明せよ。さらに、(2) X製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計2,500万円を下回らないためには、需要の移動によるY製品の売上高の増加額は最低いくら必要か。計算過程を示して答えよ。なお、割り切れない場合には、万円未満を四捨五入すること。

 

[各AIの型の提案]

 では、どのような型で解答したらいいのかきいてみましょう。まずは、ChatGPからです。

[ChatGPT]
■解答プロセス型
  1. 貢献利益(限界利益)分析
  2. 差額原価(増分原価)分析
  3. 固定費の回避可能性判定
  4. 需要移動/代替効果の評価

 続きましては、Ceminiからの提案です。

[Gemini]
■解答プロセス型
  1. 論点と前提条件の整理
  2. 変動費と固定費の確認
  3. 販売中止による影響の計算
  4. 理由の記述

 それでは、最後のCopilotに回答してもらいましょう!

[Copilot]
■解答プロセス型
  1. 費用区分の整理
  2. 限界利益の算定
  3. 中止による利益変化の算定
  4. Y製品への需要移動による利益回復

[問題の考察]

 そもそも、この問題、財務・会計の素人には難解です。まずは、問題の意味をきちんと押さえてから、解答していきましょう。

個別固定費
特定の事業または製品に発生する費用
共通固定費
普段固定費と言っている、固定費を指します
需要の変動
代替品かどうかを指しているらしい。
限界利益
限界利益=売上高-変動費
貢献利益
貢献利益=売上高-変動費-個別固定費

 まず、限界利益は、製品により求める事ができる利益になります。この場合、売上から、変動費を減じることにより、Xの限界利益を求めることができ、その限界利益と、回避可能な個別固定費と比較し、回避可能な個別固定費より、限界利益が多い場合、事業継続と判断するそうです。
 ここで、よく分からないのは、売上から、変動費を減じた限界利益は、個別固定費ではなく、固定費と利益です。それと、回避可能な個別固定費と比較して、事業継続できるとなんで判断できるのかどうか、よく分かりません。それに対して、Geminiは以下のような解答をしています。

X製品を販売し続ければ、2,000万円の限界利益が得られます。この2,000万円は、X製品に紐づく個別固定費(1,500万円)を賄い、さらに共通固定費の一部を負担する原資となります。
そのため、以下の式により、止めた方が良いのか、続けたらいいのか求めることができます。
  • やめた場合の利益変動=回避できる費用-失われる利益
  • やめた場合の利益変動=1,200-2,000=-800

 回避できる費用とは、回避可能な個別固定費で、失われる利益とは、X製品を販売中止したときの利益、限界利益になります。以上の解答から、X製品の販売は継続したほうがいいということになります。その理由としては、限界利益が個別固定費より上回っているからという解答でいいのでしょう!

[あとがき]

 (2)に入ろうとしたのですが、限界です。型、プロセスに入る前に、問題を理解するのに時間がかかっています。しかも、今回、限界利益で求めていますが、このような問題の場合、その意図に即した解答をした場合は、限界利益ではなく、貢献利益を使用するのが普通のようです。ただ、この問題の性質上、限界利益、貢献利益で計算いた場合でも、結果が同じため、便宜的に今回は、限界利益という言葉を使用しています。
 難しい・・・。これ、慣れるしかないですかね?続きは明日!

 では、また!

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