令和5年 中小企業診断士 二次試験 事例Ⅳ 第3問 設問1 (2) 解答 [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは
 EVE2です。

 本日は、令和5年 中小企業診断士 2次試験 事例Ⅳ 第3問 設問1(2)を解答しますが、解答の準備を進めながら1つ疑問が出てきました。それは、年ごとのキャッシュフローを計算するのに、売上、固定費、変動費、減価償却費を使用していますが、他の方法により求めるケースもあるのではないのか?まっ、それが、問題の型と言うことになるのですが、応用という面で、そういう事も想定し対策をしないと、2次試験は突破できないかもしれません。なんてことを、解答をする準備しながら感じました。
 では、早速以下の順番で、問題を解答していきましょう!

  1. 各年度のキャッシュフローの計算
  2. 運転資本のキャッシュフローの計算
  3. 設備投資と処分の額

[各年度のキャッシュフローの計算]

 昨日は、以下の数値を計算に必要なモノとして、抜き出しました。

  • 単価 1万円
  • 販売個数 5,000個
  • 設備費用 11,000万円
  • 変動比率 0.4
  • 固定費 2,200万円
  • 法人税 0.3%
  • 運転資本 400万円
  • 減価償却は、耐用年数5年で、残存価額をゼロとする定額法
  • 処分価額は取得原価の10%

 ここでは、営業利益を求めるため、売上高、固定費、変動費、減価償却費を利用します。まずは、営業費用を求めるために、売上、変動費、減価償却費を計算します。
 売上は、単価個数×販売個数を売上とします。
 変動費は、売上×変動比率で求める事が可能です。
 そして、減価償却費は、耐用年数5年で残存価額がゼロという記述から、設備費用を耐用年数で割るだけで求めることができます。

  • 売上 = 1万×5,000個 = 50,000,000円
  • 変動費= 50,000,000円 × 0.4 = 20,000,000
  • 減価償却費=11,000万円 ÷ 5 = 22,000,000

 営業利益は以下の式を用います。

 売上高 = 固定費 + 変動費 + 減価償却費 + 営業利益
 50,000,000 = 22,000,000 + 20,000,000 + 22,000,000 + 営業利益
 営業利益 = -14,000,000

 キャッシュフローは以下の式から求めることができます。

 キャッシュフロー = 営業利益 × (1 - 実効税率) + 減価償却費 - 運転資本 - 投資額
 キャッシュフロー = -14,000,000 + 22,000,000 = 8,000,000

 運転資本と投資については、後ほど計算するので、ここでは省略します。年毎に収入の推移を見ると以下のようになります。
営業利益にマイナスなのに、法人税なんかかかってきませんでした。(1 - 実効税率)につきましては、削除しています。

  • 年初  -
  • 1年目 8,000,000
  • 2年目 8,000,000
  • 3年目 8,000,000
  • 4年目 8,000,000
  • 5年目 8,000,000

[運転資本のキャッシュフローの計算]

 運転資本は、表から400万円だと言うことは分かっています。運転資本は、売上債権+棚卸資産-仕入債務という式で求めることができ、初年度は、1個もまだ売れていないという状況なので、表の400万円は0となります。但し、最終年度は、本来支出としていたモノが、支払う必要がなくなるため、収入として計算します。その流れが以下の通りです。

  • 年初  -4,000.000円
  • 1年目
  • 2年目
  • 3年目
  • 4年目
  • 5年目 4,000.000円

[設備投資と処分の額]

 そして、最後に設備投資について計算します。設備投資は、年初に11,000万円かかり、最終年度に、設備を売却し、その収入が、購入価格の10%としています。その流れは以下の通りとなります。なお、最終年度は、法人税を減じた値を解とします。

  • 年初 -110,000,000円
  • 1年目 
  • 2年目
  • 3年目
  • 4年目
  • 5年目 7,700,000円

[全体のキャッシュフロー]

 以上の計算結果が、以下の表となります。

【単位 万円】
項目 年初 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 合計
各年度のキャッシュフローの計算 - 800 800 800 800 800 4,000
運転資本のキャッシュフローの計算 △400円 - - - - 400円 0
設備投資と処分の額 △11,000 - - - - 770 △10,230
合計 △-11,400 800 800 800 800 1,970 △6,230

[キャッシュフローから現在正味価値を求める]

 以上の各年度のキャッシュフローから複利現価係数を用いて、各年度の正味現在価値を求めていきます。

【単位:万円】
項目 年初 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 合計
正味現在価値 △11,400(*1) 740.80 685.60 635.20 588.00 1,613.97 ▲7,136.43

[あとがき]

 今回も、計算時に単位をそろえるということと、設備費用から法人税を減じるのを忘れそうになりました。くせにしないとダメですね?
 難しい~って思いながら以下の式を見て気づいたことがありました。

 キャッシュフロー = ①営業利益 × (1 - 実効税率) + 減価償却費 - ②運転資本 - ③投資額

 以上は、キャッシュフローを求めるために、一番最初に教わった公式なのですが、今回、①②③を各年度に分割しただけでは?まっ、この問題だけでは何とも言えないので、複数年解答してみて、判断したいと思います。

 では、また!!!

追伸・・・。年初と、1年目の費用の区別が正しくできてませんでした。Studyingの解答、各AIとも違う解答になりましたが、以上の結果になりました。なお、再度検討の上明日考察について、述べさせていただきます。

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