中小企業診断士試験 経済学・経営政策 統計問題 令和4年第1問 [経済学・経済政策]

 こんにちは!
 EVE2です。

 現在、劇疲れです。2025年4月22日にA8ブログがなくなるんで、その引っ越し作業を毎日ちまちまやっていたのですが、他の開発や作業に影響が出てきました。そこで、3日前ぐらいから、引っ越し作業に専念しています。やっている作業は、

1)A8ブログからの画像のダウンロード
2)ダウンロードした画像を、pro2grammer.comへアップロード。
3)Bloggerにインポートしたブログの振り向き先を、A8からpro2grammer.comへ変更
 当初、表紙と言ったらいいでしょうか?今回の対象のファイル、ほとんどがpixabayからダウンロードした画像だけだと思っていたので、その対策をしてから作業に臨んだのですが、やってみて分かったこと・・・。ブログ開設当初、自分で手作りで作った画像が多い・・・。もう3年も前のことなので、忘れていたようです。これ、ここでなくしたら多分もう二度と手に入らないでしょう?ちょっと、ストレスを感じながら、「ゼロからはじめるシステム開発」の同作業を、先ほど完了しました。そんな状態なので、ブログを更新する気分ではないのですが、二日間連続でのお休みはいただけないので、本日は土曜日と言うことで、中小企業診断士試験 経済学・経営政策統計問題について書きたいと思います。

[経済学・経営政策 令和4年 第1問]

第1 問
 下図は、1990 年以降の日本について、ジニ係数を使い、所得再分配政策による所得格差の改善状況の推移を示したものである。「当初所得ジニ係数」は当初所得(所得再分配前の所得)のジニ係数、「再分配所得ジニ係数」は再分配所得(所得再分配後の所得)のジニ係数、「改善度」は所得再分配によるジニ係数の改善度(%)である。
 この図から分かる日本の所得格差に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
出所:厚生労働省『令和2 年度版厚生労働白書』

a 1990 年代に比べて、2000 年代以降には、所得再分配前の所得格差が拡大している。
b 2010 年代は、それ以前に比べて、所得再分配政策による所得格差の改善度が大きい。
c 2010 年代は、所得再分配政策によって、かえって所得格差が拡大している。
〔解答群〕
ア a:正  b:正  c:誤
イ a:正  b:誤  c:正
ウ a:正  b:誤  c:誤
エ a:誤  b:正  c:誤
オ a:誤  b:誤  c:正

[問題の考察]

 この問題何回か解いているので、脳裏に残っているのですが、定かではない点が多々あるので、記憶を整理したいと思います。
 この問題のポイントは、ジニ係数という用語です。このジニ係数という用語の意味をきちんと押さえてさえいれば、正解を導き出せる問題だと認識しています。それでは、さっそく、ジニ係数とはなんなのか、ChatGPTに聞いてみましょう!

 ジニ係数(Gini coefficient)は、所得や資産の分配の不平等度を測る指標の一つです。イタリアの統計学者コッラド・ジニ(Corrado Gini)によって考案されました。

■ジニ係数の特徴
・0から1の範囲の値を取る
 ┣0(完全平等):すべての人が同じ所得・資産を持つ
 ┗1(完全不平等):1人がすべての所得・資産を独占し、他の人は何も持たない
・一般的に 0.3~0.4程度 であれば中程度の格差、0.5以上 になると格差が大きいと判断される

■計算方法
 ジニ係数は ローレンツ曲線 を用いて計算されます。
①ローレンツ曲線:
・横軸:累積人口比率(低所得者から順に並べる)
・縦軸:累積所得比率
・完全平等なら45度の直線(完全平等線)になる
・実際の所得分布はこの線より下に位置する
・ジニ係数の求め方:
 G= A ÷ ( A + B )​

ここで、
・A:完全平等線とローレンツ曲線の間の面積
・B:ローレンツ曲線の下の面積(全体の面積 - A)

■ジニ係数の活用
・経済・社会政策:
┣所得格差の評価(高すぎる場合、再分配政策が必要)
┗税制や社会保障の影響分析

・国際比較:
┣世界銀行やOECDが各国のジニ係数を公表
┗先進国では 0.3 前後、新興国では 0.4 以上の国が多い

■日本のジニ係数
・厚生労働省の調査(2020年) では、日本の所得ベースのジニ係数は 0.376(再分配後は 0.296)。
・再分配(税・社会保障) により、ある程度の格差は是正されている。

■まとめ
 ジニ係数は、社会の所得格差を測る指標 であり、0に近いほど平等、1に近いほど不平等 であることを意味します。経済政策の設計や国際比較に用いられ、社会の公平性を評価する重要な指標の一つです。

[出題内容の確認]

 では、早速、どんな事が聞かれているのかaから順に見て行きましょう!

a 1990 年代に比べて、2000 年代以降には、所得再分配前の所得格差が拡大している。
b 2010 年代は、それ以前に比べて、所得再分配政策による所得格差の改善度が大きい。
c 2010 年代は、所得再分配政策によって、かえって所得格差が拡大している。

 aは、「1990 年代に比べて、2000 年代以降には、所得再分配前の所得格差が拡大している」かどうか聞いています。以上の図を見ると、所得の再分配前の所得格差について聞いているので、白い棒グラフ、当初所得ジニ係数を指しているようです。ジニ係数は、0は完全に均衡しているが、1に近づくほど、不均衡の幅が大きいと言っています。ということは、白い棒グラフが、1990年から年々増えていると言う状況は、格差が拡大しているといっていいでしょう?つきまして、aは、正しいことになります。
 続いて、bですが、「2010 年代は、それ以前に比べて、所得再分配政策による所得格差の改善度が大きい。」かどうか聞いています。改善度に関する指標は、折れ線グラフになると思われるので、右上がりに上昇している状況は、改善していると考えていいでしょう?ただ、ジニ係数は、0が完全均衡がとれているという状況なので、増えているという状況は改善しているという解説にはちょっと、自信が持てません。ただ、ここは正しいとしましょう。
 最後に、cですが、「2010 年代は、所得再分配政策によって、かえって所得格差が拡大している。」かどうか聞いています。これを確認するには、黒い棒グラフ、分配所得ジニ係数を見ればいいでしょう?そうすると、1990年代から2017年にわたるまでほぼ横這いだということが分かります。従って、拡大しているとは言いがたい状況です。したがって、cは、間違いです。
 以上の考察から、解答はアです。では、早速解答を見てゆきましょう!あっていました。良かったです。

[ChatGPT総評]

■良い点
❶グラフの読み取りが適切
・「白い棒グラフ=所得再分配前のジニ係数」「黒い棒グラフ=再分配後のジニ係数」「折れ線グラフ=改善度」としっかり認識できています。
・各指標が示す意味を正しく把握しているので、問われていることに的確に答えられています。

❷ジニ係数の概念を正しく適用
・ジニ係数の増加 = 格差の拡大 と認識しており、特に a の判断は適切です。
・「白い棒グラフが増えている=所得格差が拡大」と説明している点が良いですね。

❸改善度の判断に迷いつつも、論理的に解釈
・b の判断で「ジニ係数が増えているのに改善度が上がるのは自信が持てない」と一度悩んでいるのは良い思考プロセスです。
・「改善度の増加は、ジニ係数自体の減少ではなく、再分配効果の増大を示す」としっかり認識すれば、より自信を持てると思います。

❹c の誤りを的確に指摘
・「黒い棒グラフ(再分配後ジニ係数)が横ばい=格差が拡大していない」と正しく判断できています。

■改善点
❶b の解答をより自信を持って説明
・「改善度が増えている = 再分配政策がより効果を発揮している」 という理解を持てば、b に対してもっと自信を持って「正しい」と判断できるはずです。
・例えば、「ジニ係数の増減と改善度の増減は別の指標。改善度が増えるということは、所得格差を是正する政策が以前より効果的に働いていることを意味する」と言えばより説得力が増します。

❷文章をより簡潔にする
・文章の流れは良いですが、やや冗長な部分があります。
・例えば: 「b の解答」
 改善度の指標は折れ線グラフなので、右上がりなら改善していると考えられる。ジニ係数の増加が気になったが、改善度は再分配の効果を示すので、正しいと判断した。
 こうすると、すっきりしますね。
❸c の説明をより強調
 c について「ほぼ横ばいなので、拡大しているとは言えない」だけでなく、「再分配後の格差が増えていない=政策によって格差が抑えられていることがわかる」と補足するとより明確になります。
■まとめ
・全体的にとても論理的で正しい解答です!
・b の解釈にもう少し自信を持つとさらに良い
・文章を簡潔にするとより伝わりやすい
 解答は合っていたので、良かったですね!この考え方で他の問題も解いていけば、確実に高得点を狙えますよ💡

[あとがき]

 一度解答した問題なので、こんなもんでしょう?なお、改善度に対する疑問ですが、ChatGPTから以下のような解説がありました。

■「改善度が増加しているのにジニ係数が増えている」理由
 グラフを見ると、当初所得ジニ係数(再分配前のジニ係数)は年々上昇しています。つまり、市場経済の中で格差が拡大していることを示しています。
 しかし、その一方で政府の再分配政策(税制、社会保障)が強化された結果、再分配後のジニ係数の低減幅も拡大しました。そのため、改善度(格差縮小の割合)が増加しているのです。
 簡単に言うと、

1)市場の格差は拡大している(ジニ係数が上昇)
2)政府がより強く介入している(再分配の効果が大きくなり、改善度が増加)
そのため、「格差自体は広がっているが、政府の政策である程度抑え込まれている」と理解できます。

改善度といえば、大きくなれば改善しそうな気がするのですが、今回、ジニ係数という言葉を調べてから問題を解答したので、迷ってしまいました。ChatGPTの解説をきちんと頭に入れて、ジニ係数に関する問題は、迷うことなく解答できるようにしたいと思います。

 では、また!

コメント