中小企業診断士試験、令和5年事例Ⅱ ~分類した与件文分解~ [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 EVE2です。

 今日から、解答するという話をしましたが、まだ、やることがありました。それは、分類した与件文の分解です。前回もやったのですが、忘れていました。昨日時間あったのだから、昨日やるべきでした。次回から、そうしたいと思います。では、早速分類した与件文の分解をして見ましょう。

[①B社の顧客とは?]

 では、さっそく分類した与件文の①から見て行きましょう。①は、B社の顧客についての記述を分解し、探します。なお、このB社の顧客とは現在の顧客であり、過去の話は、現在も過去と同じ状況だろうという状況が想像できた場合、①として列記していきます。

  • 付近にはJRと大手私鉄が乗り入れている駅があり、交通の便がよい。
  • 幹線道路が通っていて、自動車での移動も便利である。
  • 河川敷がスポーツ施設として整備され、野球場、サッカー場、多目的広場などがある。
  • 近隣の強豪社会人野球チームがここを借りて練習しているということで地域住民の野球熱が高く、野球場の数も通常の河川敷に比べるとかなり多い。
  • 居住者が急激に増えた。同時に子どもの数も増えた。
  • 公立小中学校が新たに開校した。
     →周辺住民の子供
  • 河川敷に野球場が整備されたこと、さらにはプロ野球の人気が高まってきた
     →野球を実際にできる環境がある
  • ユニフォームの調達を通じて野球用品の調達ルートも確保できた。
  • 複数の少年野球チームから野球用品の調達について問い合わせを受けるようになった。
  • 子どもの数も多く、毎年多くの小学生が各少年野球チームに加入
  • 4月と5月には新規のユニフォームや野球用品の注文が殺到した。
  • 低学年から野球を始めた子どもは、成長に伴って何度か、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を買い替えることになる。
     →低学年の小さな子供をもつ親御様
  • B社は各少年野球チームから指定業者となっていたので、こうした買い替え需要を取り込むことに成功
     →チーム、団体顧客
  • チームを通さなくても個別に買い物に来る顧客を囲い込んでいた。
     →個人顧客
  • 年間を通じて、各チームに対してボール、スコア表、グラウンドマーカー(ラインを引く白い粉)などの納入もあった。
  • 子どもは、成長に伴って何度か、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を買い替えることになる。
     →買い換え需要
  • 中学校の部活動にも対応できるように取扱商品を増やしていった。
  • 品揃えと提案力に自信のある野球用品をより専門的に取り扱っていくこととした。
     →野球少年にターゲット
  • 古くから取引がある各少年野球チームは、B社の各種有名スポーツブランド用品の取り揃え、ユニフォーム加工技術や納品の確かさ。
  • オリジナルバッグなどのオリジナル用品への対応力、子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力などについて高く評価
     →ブランド価値を感じる顧客
  • メンバーの保護者から、価格面でのメリットなどを理由に、大型スポーツ用品量販店で汎用品の個別購入を希望される
     →コスト重視の顧客
  • サッカー場、多目的広場などがある。
  • 近隣の強豪社会人野球チームがここを借りて練習しているということで地域住民の野球熱が高く、野球場の数も通常の河川敷に比べるとかなり多い。
  • 河川敷にサッカー場も整備され、今度は急激に少年サッカーチームが増えた
  • サッカー用品の品揃えも充実させ、各少年サッカーチームとも取引を行うように事業の幅を広げていった。
  • 子どもたちのスポーツ活動が多様化してきた
  • バスケットボールやバレーボールなどの球技用品、陸上用品などの扱いにも着手し、中学校の部活動にも対応できるように取扱商品を増やしていった。

[②B社の競合とは?]

 競合相手の記述は少なく、以下の通りです。

  • サッカーやバスケットボール用品の専門店が相次いで開業し、過当競争になった。
  • B社は品揃えの点で見劣りがしている。
     →品揃えが豊富
  • 自動車で15分ほどの場所に、大型駐車場を備えてチェーン展開をしている大型スポーツ用品量販店が出店。
     →量販店の出現
  • その量販店では、かなり低価格で販売されているため、B社は価格面で太刀打ちができない。
  • 他の習い事もあり、買い替えの負担を理由に野球をやめてしまう子どもがいる。
     →低価格競争

[③B社とはどんな会社か?]

 B社の現在の状況を下記の内容でまとめました。

  • B社は資本金500万円。
  • 従業者数→2代目社長を含めて8 名(うちパート3名)。
  • スポーツ用品の加工・販売を行っている。
  • 現在の事業所は、小売1店舗(ユニフォームなどの加工、刺しゅうを行う作業場併設)である。
  • 取扱商品は野球、サッカー、バスケットボールやバレーボールなどの球技用品。
  • 陸上用品、各種ユニフォーム、ジャージーなどのトレーニング用品。
  • テーピングやサポーターなどのスポーツ関連用品などである。
  • 近隣の公立小中学校の体操服や運動靴も扱っている。
  • B社はX県の都市部近郊に立地する。
  • B社はユニフォームや野球用品の注文について相談を受けた。
  • 体操服に校章をプリントしたり、刺しゅうでネームを入れたりする加工技術を初代社長が身に付けている。二代目もその技術を継承している。
  • 仕入れルートから紹介を受けて調達し、自店舗の作業場でチーム名や背番号の切り文字の切り抜き、貼り付け加工をする。
  • スポーツ用品店に事業転換することとした。
  • 河川敷にサッカー場も整備され、今度は急激に少年サッカーチームが増えた。
  • B社はサッカー用品の品揃えも充実させ、各少年サッカーチームとも取引を行うように事業の幅を広げていった。
  • 子どもたちのスポーツ活動が多様化してきたので、バスケットボールやバレーボールなどの球技用品、陸上用品などの扱いにも着手
     →拡大戦略→野球から他の分野のスポーツへ
          →小学校から中学校へ
  • 品揃えと提案力に自信のある野球用品をより専門的に取り扱っていく。
     →集中・差別化戦略
  • 古くから取引がある各少年野球チームは、B社の各種有名スポーツブランド用品の取り揃え、ユニフォーム加工技術や納品の確かさ。
  • オリジナルバッグなどのオリジナル用品への対応力、子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力などについて高く評価。
     →ブランド価値を感じる顧客
  • インターネットの活用の見直しである。
     →ホームページを設けている程度
     →どのような情報や機能を搭載すべきか?
     →SNSやスマートフォンアプリの活用
     →顧客との関係性強化を考えている
  • 従来のようにポスターを貼ったりチラシを配布したりするといった募集活動に加え、SNSを用いた募集活動への対応がある。

[④最新のプライシング方法とは?]

 最新のプライシングについての記述はありませんでした。これは、昨日列記したプライシング方法で最新のものを選択し、同プライシングで、どのような形で導入していくのか考えることになりそうです。ただ、与件文を使うということが、この試験の制約みたいなものなので、何もない所から自分が考えた内容を記述するのは試験当日なら、心臓がパンクしそうになるかもしれません。

[⑤親の負担を減らすことができる、最新のプライシング方法とは?]

 親の負担を減らすという意味で、チームで一括で購入するという以下の記述が気になりました。ただ、最新のプライシングではないので、以下は却下となるでしょう?

  • ユニフォームやオリジナル用品などは、各チームに一括納品できる。
     →量の経済

[⑥女子野球部員獲得にささる、プロモーション、イベントとは?]

 女子に関する記述もほとんどありませんでした。「③B社とはどんな会社か?」「⑦B社が可能なプロモーションとは?」という部分から類推するという方法で解答することになりそうです。

  • チームも女子のメンバー獲得に苦しんでいる。
  • 女子の軟式野球が盛んになってきたことに着目。
  • 女子メンバー獲得に苦しんでいるチームを支援し、女子向けの野球用品の提案力を高め、新規顧客としての女子チームの開拓を行う。
  • また、女子の軟式野球が盛んになってはいるものの、まだまだ少ない女子の参加希望者を増やしていくことも課題である。

[⑦B社が可能なプロモーションとは?]

 B社で可能なプロモーションとして、以下の項目を列記しました。B社長の長男が事業承継した場合、もっと、できることが増えそうです。

  • 従来のようにポスターを貼ったりチラシを配布したりするといった募集活動に加え、SNSを用いた募集活動への対応がある。
  • チームやそのメンバーのさまざまなデータ管理についても、たとえばスマートフォンを使って何かできないかとB社は相談を受けていた。
  • ICT企業に勤めている30代の長男がB社を事業承継。
  • 総合的なスポーツ用品を扱いながらも、1970年代に事業転換したときからの強みである、野球用品の強化をさらに進める。
  • 特に子どもたち一人一人の体格や技術、特性に応じた商品カスタマイズの提案力をより強化することで、大型スポーツ用品量販店との差別化を図る。
  • 各少年野球チームの監督とのより密接なコミュニケーションを図る。
     →各チームのデータ管理
     →メンバーや保護者の要望の情報把握
     →相談を受けた際のアドバイスへの対応を進める。
     →コンサルティング事業
  • インターネットの活用の見直しである。
     →ホームページを設けている程度
     →どのような情報や機能を搭載すべきか?
     →SNSやスマートフォンアプリの活用
     →顧客との関係性強化を考えている。

[⑧B社が可能なイベントとは?]

 イベントに関する記述は見つけることはできませんでした。⑥同様に、「③B社とはどんな会社か?」「⑦B社が可能なプロモーションとは?」という部分から類推するという方法で解答することになりそうです。

[⑨B社が可能な、オンラインコミュニケーションとは?]

  • 従来のようにポスターを貼ったりチラシを配布したりするといった募集活動に加え、SNSを用いた募集活動への対応がある。
  • インターネットの活用の見直しである
     →ホームページを設けている程度
     →どのような情報や機能を搭載すべきか?
     →SNSやスマートフォンアプリの活用
     →顧客との関係性強化を考えている

[⑨B社が可能な、オンラインコミュニケーションとは?]

 B社が可能なオンラインコミュニケーションは、今後できるものも含め以下の通りとしました。

  • ICT企業に勤めている30代の長男がB社を事業承継。
  • 各少年野球チームの監督とのより密接なコミュニケーションを図る
     →各チームのデータ管理
     →メンバーや保護者の要望の情報把握
     →相談を受けた際のアドバイスへの対応を進める
     →コンサルティング事業
  • インターネットの活用の見直しである。
     →ホームページを設けている程度
     →どのような情報や機能を搭載すべきか?
     →SNSやスマートフォンアプリの活用
     →顧客との関係性強化を考えている。

[⑩長期的に売上を向上するための施策]

 長期的ということで、ライフタイムバリュー(LTV: Life Time Value、顧客生涯価値)を考えることにしました。

  • 居住者が急激に増えた。同時に子どもの数も増えた
  • 公立小中学校が新たに開校した。
     →周辺住民の子供
  • 河川敷に野球場が整備されたこと、さらにはプロ野球の人気が高まってきた
     →野球を実際にできる環境がある。
  • 子どもたちのスポーツ活動が多様化してきたので、バスケットボールやバレーボールなどの球技用品、陸上用品などの扱いにも着手。
     →拡大戦略→野球から他の分野のスポーツへ
          →小学校から中学校へ
  • 古くから取引がある各少年野球チームは、B社の各種有名スポーツブランド用品の取り揃え、ユニフォーム加工技術や納品の確かさ。
  • オリジナルバッグなどのオリジナル用品への対応力、子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力などについて高く評価
     →ブランド価値を感じる顧客
  • 品揃えと提案力に自信のある野球用品をより専門的に取り扱っていくこととした。
     →野球少年にターゲット
  • 各少年野球チームの監督とのより密接なコミュニケーションを図る。
     →各チームのデータ管理
     →メンバーや保護者の要望の情報把握
     →相談を受けた際のアドバイスへの対応を進める
     →コンサルティング事業
  • インターネットの活用の見直しである。
     →ホームページを設けている程度
     →どのような情報や機能を搭載すべきか?
     →SNSやスマートフォンアプリの活用
     →顧客との関係性強化を考えている

[あとがき]

 今回2度目の分類した与件文の分解ですが、やり方として、与件文を①~⑩に分類はしたものの、結局、1行1行どこに入るか探すという作業になってしまいました。そんな状況から、与件文を分類後最初から、本作業に入った方がいいのでは?っと感じています。ただ、ちょっと、ここは考えどころです。試験において時間は足りないらしいです。その状況から考えて、一番早く完了し、かつ正解率が上がりそうな方法を採用したいと思います。
 っということで、本日はこの辺で!明日こそは、解答に入ります。

 では、また!

コメント