中小企業診断士試験 令和5年事例Ⅲ ~与件文の分類~ [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 ナビゲーターのEVE2です。

 本日は、早速与件文を1度も読むことなく与件文の分類作業に入ります。高得点を狙うという目標はあるのですが、それが、時間内でできないと意味がありません。そのため、高得点を狙うのと同時に、短時間で解答するという方法も考えていきます。

 では、早速見て行きましょう!


[①C社の現状把握]

 まずは、C社の現状についてまとめます。読んでみて初めて知りましたが、この与件文ほぼC社に関する内容となっています。

・業務用食品製造業
・C社は資本金3,000万円
・従業員60名(うちパート従業員40名)
・現在の組織は、総務部4名、配送業務を兼務する営業部6名、最近新設した製品開発部2名、製造部48名で構成されている。
・パート従業員は全て製造部に配置されている。
・高級ホテルの料理人を経験し、ホテル調理場の作業内容などのマネジメントに熟知した現経営者
・ホテル内レストランメニューの品揃えの支援を行う調理工場を標ぼうして1990年にC社を創業した。
・C社は地方都市に立地
・温泉リゾート地にある高級ホテルと高級旅館5軒を主な販売先
・販売先の厨房の管理を担う販売先料理長を通じて依頼がある和食や洋食の総菜、菓子、パン類などの多品種で少量の食品を受託製造
・増加する訪日外国人観光客の集客を狙って、地元食材を使った特色のあるメニューを提供する傾向が強まっている
・材料調達や在庫管理の簡素化などによるコスト低減も目指している。
 ┗そのためC社の受注量は年々増加
・C社の製造部は、以下の課で構成
 ┣生産管理課
 ┣総菜製造課
 ┃┗5つの総菜製造班 → 販売先ごとに製造
 ┣菓子製造課
 ┃┣菓子製造
 ┃┗パン製造
 ┗資材管理課
・各製造班にはベテランのパートリーダーが各1名
 ┗パート従業員が配置
・製造部長、総菜製造課長、菓子製造課長 → ホテルや旅館での料理人の経験がある。
・C社の工場は、製造班ごとの加工室に分離され、食品衛生管理上交差汚染を防ぐようゾーニングされている
 →各加工室の設備機器のレイアウトはホテルや旅館の厨房と同様なつくりとなっている。 
・受注量が最も多い総菜の製造工程
 ┣食材の不用部トリミングや洗浄を行う前処理 → 手作業
 ┣食材の計量とカットや調味料の計量を行う計量・カット → 手作業
 ┣調味料を入れ加熱処理する調理 → 手作業
 ┗鍋やボウル、包丁など汎用調理器具を使う → 手作業
・C社の製造は、販売先から指示がある製品仕様に沿って、工場管理者3名と各製造班のパートリーダーがパート従業員に直接作業方法を指導、監督して行われている。
・C社が受託する製品は、販売先のホテルや旅館が季節ごとに計画する料理メニューの中から、その販売先料理長が選定する食品で、その食材、使用量、作業手順などの製品仕様は販売先料理長がC社に来社し、口頭で直接指示を受けて試作し決定する。
・納入期間中も販売先料理長が来社し、製品の出来栄えのチェックをし、必要があれば食材、製造方法などの変更指示がある。
 ┣工場管理者が立ち会い、受託製品の製品仕様や変更の確認を行っている。
 ┗毎日の生産指示や加工方法の指導などは両課長が加工室で直接行う。
・販売先料理長から口頭で指示される各製品の食材、使用量、作業手順などの製品仕様は、工場管理者が必要によってメモ程度のレシピを作成
 →整理されずにいる。
・受託する製品の仕様が決定した後は、C社の営業部員が担当する販売先料理長から翌月の月度納品予定を受ける
 ┣製造部生産管理課に情報を伝達
 ┗生産管理課で月度生産計画を作成
・総菜製造課長、菓子製造課長に生産指示
 ┣両製造課長は月度生産計画に基づき製造日ごとの作業計画を作成しパートリーダーに指示する。
 ┣パートリーダーは、月度生産計画に必要な食材や調味料の必要量を経験値で見積り
 ┗長年取引がある食品商社に月末に定期発注する。
・食品商社は、C社の月度生産計画と食材や調味料の消費期限を考慮して納品する。
・食材や調味料の受入れと、常温、冷蔵、冷凍による在庫の保管管理は資材管理課
 ┣入出庫記録がない
 ┗食材や調味料の在庫量は増える傾向
  ┗廃棄も生じる。
・製造日に必要な食材や調味料は前日準備
 ┗その時点で納品遅れが判明し、販売先に迷惑をかけたこともある。
・販売先への日ごとの納品は、宿泊予約数の変動によって週初めに修正し確定する。
・朝食用製品については販売先消費日の前日午後に製造し当日早朝に納品する。
・夕食用製品については販売先消費日の当日14:00までに製造し納品する。
・現在、C社所在地周辺で多店舗展開する中堅食品スーパーX社と総菜商品の企画開発を共同で行っている
・C社では、季節性があり高級感のある和食や洋食の総菜などで、X社の既存の総菜商品との差別化が可能な商品企画を提案している。
・C社の製品開発部は、このために外部人材を採用し最近新設された。この採用された外部人材は、中堅食品製造業で製品開発の実務や管理の経験がある。
・この新規事業では、季節ごとにX社の商品企画担当者とC社で商品を企画
 ┣X社が各月販売計画を作成する。
 ┣納品数量は納品日の2日前に確定する。
 ┣納品は商品の鮮度を保つため最低午前と午後の配送となる。
 ┗X社としては、当初は客単価の高い数店舗から始め、10数店舗まで徐々に拡大したい考えである。
・C社社長
 ┣この新規事業に積極的に取り組む方針であるが、現在の生産能力では対応が難しい。
 ┗工場増築などによって生産能力を確保する必要がある

[②C社の強み]

 そして、C社の強みなのですが、C社のことがたくさん書かれているにもかかわらず、強みと思えるモノがありませんでした。40字で2つだから、まっ、こんなモノでいいのかもしれません。

・最近新設した製品開発部2名
・高級ホテルの料理人を経験し、ホテル調理場の作業内容などのマネジメントに熟知した現経営者
・製造部長、総菜製造課長、菓子製造課長 → ホテルや旅館での料理人の経験がある。
・材料調達や在庫管理の簡素化などによるコスト低減も目指している。
 ┗そのためC社の受注量は年々増加
・現在、C社所在地周辺で多店舗展開する中堅食品スーパーX社と総菜商品の企画開発を共同で行っている
・C社では、季節性があり高級感のある和食や洋食の総菜などで、X社の既存の総菜商品との差別化が可能な商品企画を提案している。
・C社の製品開発部は、このために外部人材を採用し最近新設された。この採用された外部人材は、中堅食品製造業で製品開発の実務や管理の経験がある。

[③現状のC社の問題]

 問題となりそうな所が多々ありました。

・受注量が最も多い総菜の製造工程 → 手作業で進められている。
・販売先料理長が選定する食品で、その食材、使用量、作業手順などの製品仕様は販売先料理長がC社に来社し、口頭で直接指示を受けて試作し決定する
・販売先料理長から口頭で指示される各製品の食材、使用量、作業手順などの製品仕様は、工場管理者が必要によってメモ程度のレシピを作成
 →整理されずにいる。
・パートリーダーは、月度生産計画に必要な食材や調味料の必要量を経験値で見積り、長年取引がある食品商社に月末に定期発注する。
・食材や調味料の受入れと、常温、冷蔵、冷凍による在庫の保管管理は資材管理課
 ┣入出庫記録がない
 ┗食材や調味料の在庫量は増える傾向
  ┗廃棄も生じる。
・製造日に必要な食材や調味料は前日準備
 ┗その時点で納品遅れが判明し、販売先に迷惑をかけたこともある。

[④現状のC社を取り巻く環境の問題]

 環境については、ほぼ記述がありません。C社の地理的位置さえ、地方都市としかなく、環境について書かれていると思われるモノは、以下の通りです。

・最近では新型コロナウイルス感染も落ち着き、観光客の増加によって販売先のホテルや旅館の稼働率が高くなり、受注量も回復
・増加する訪日外国人観光客の集客を狙って、地元食材を使った特色のあるメニューを提供する傾向が強まっている

[⑤C社が取ってきた今までの対策]

 対策らしい対策に関しては、ほぼありませんでした。ただ、これから、X社と新ビジネスをするに際して、いろいろと試みて、かつ改善しようとする姿勢が見えてきます。

・最近新設した製品開発部2名、
・C社では、季節性があり高級感のある和食や洋食の総菜などで、X社の既存の総菜商品との差別化が可能な商品企画を提案している。
・C社の製品開発部は、このために外部人材を採用し最近新設された。この採用された外部人材は、中堅食品製造業で製品開発の実務や管理の経験がある。

[⑥スーパーXの現状把握]

 スーパーXの記述は、与件文後半の数行しか書かれていません。

・X社では、各店舗の売上金額は増加しているが、総菜コーナーの売上伸び率が低い
・X社店舗のバックヤードでの調理品の他に、中食需要に対応する総菜の商品企画を求めている。

[⑦C社とスーパーXの新規事業]

 新規ビジネスについても、数行しか書かれていないのですが、納品に関する記述が気になりました。そのため、ここでは、従来の納品方法と、X社が希望される納品方法を併記しています。ここから何か解答に書けることがあるかもしれません。

<現状の納品>
・受託する製品の仕様が決定した後は、C社の営業部員が担当する販売先料理長から翌月の月度納品予定を受ける
 ┣製造部生産管理課に情報を伝達
 ┗生産管理課で月度生産計画を作成
・総菜製造課長、菓子製造課長に生産指示
 ┣両製造課長は月度生産計画に基づき製造日ごとの作業計画を作成しパートリーダーに指示する。
 ┣パートリーダーは、月度生産計画に必要な食材や調味料の必要量を経験値で見積り
 ┗長年取引がある食品商社に月末に定期発注する。
・食品商社は、C社の月度生産計画と食材や調味料の消費期限を考慮して納品する。
・食材や調味料の受入れと、常温、冷蔵、冷凍による在庫の保管管理は資材管理課
 ┣入出庫記録がない
 ┗食材や調味料の在庫量は増える傾向
  ┗廃棄も生じる。
・製造日に必要な食材や調味料は前日準備
 ┗その時点で納品遅れが判明し、販売先に迷惑をかけたこともある。
・販売先への日ごとの納品は、宿泊予約数の変動によって週初めに修正し確定する。
・朝食用製品については販売先消費日の前日午後に製造し当日早朝に納品する。
・夕食用製品については販売先消費日の当日14:00までに製造し納品する。

<新事業の納品>
・この新規事業では、季節ごとにX社の商品企画担当者とC社で商品を企画
 ┣X社が各月販売計画を作成する。
 ┣納品数量は納品日の2日前に確定する。
 ┗納品は商品の鮮度を保つため最低午前と午後の配送となる。
・X社としては、当初は客単価の高い数店舗から始め、10数店舗まで徐々に拡大したい考えである。

[あとがき]

 今回、問題を分解直後に、与件文の分類をすることにより、ブログを書く日数の短縮と同時に、ブログを書く時間の短縮ができました。まっ、本番でどうやるのかといった問題はありますが、それは、8月以降に考えるとして、現在は、ブログを書く上でどうやって時間短縮するのかと言った点を考えていきたいと思います。
 さて、以上の分類から正しい答えが導き出せるでしょうか?
 なお、事例問題ですが、ときどき普段使用しない単語が出てきます。もしかしたら、言葉を知らない私だけかもしれませんが、備忘録的に以下のような形で、ブログに残していきます。

 では、また!


・標ぼうの意味
 「主義・主張・方針などを公然と掲げること」を意味します。

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