令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅲ  ~総評・考察~ [中小企業診断士2次試験]

 こんにちは!
 EVE2です。

 本日は、昨日解答、採点した、令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅲの、各AIからの総評を聞いてから、考察をしていきましょう!

[令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅲ 各AIからの総評]

【ChatGPT総評】
■ 第1問(配点20点)
★指摘点:
・強み:「天然素材」はC社に限った特長ではなく、業界内での差別化要素として弱い可能性あり。
 **「よるの」→「による」?:**誤字の可能性あり。「手作業よるの」は「によるの」が正?
・弱み:「退職が予定されているが」の「が」が文意をやや不明確にしている。

■ 第2問(配点30点)
★指摘点:
・課題1の焦点がずれている: 「受注量が多く低価格品が主」は“効率化”の問題ではなく“収益性”の問題。
・対応策1: 製造工程の効率化ではなく、販売戦略に偏っている。
・対応策2: 「新製品の企画・開発」は第3問の内容と被っており、設問の趣旨である「製造工程の効率化」から外れている可能性がある。

★改善の方向性:
・課題を工程の属人性や作業の非効率性に切り替え
・対応策も作業の標準化や設備導入など、工程に関わるものにする

■ 第3問(配点20点)
★改善の方向性:
キーワードを**「属人的」「標準化」「後継者育成」**などに整理して簡潔に

■ 第4問(配点30点)
★指摘点:
・一方の選択肢に寄り過ぎ:「分業化=悪」という論調で構成されており、診断士としてのバランス感覚に欠ける印象
・熟練工の延長雇用は一時的対応であり、長期的施策としてやや弱い
・若手の育成方法の具体性や展望が少ない(OJTだけでは弱い)

★改善の方向性:
・熟練職人の技術を活かしつつも、若手による分業化や標準化を戦略的に融合させる案が望ましい
・「両立」「伝承」「効率」「ブランド保持」などをキーワードにする

■総評
項目 評価 改善すべき点
文字数 問題なし(すべて制限内) -
内容の正確性 おおむね良好 一部、設問の主旨(効率化など)とのずれあり
論点のバランス やや一方に偏る 特に第4問での柔軟な視点が必要
表現 やや冗長な部分あり 簡潔な表現に修正して密度を高め


【Geminiの総評】
第1問(配点20点)
★強み->改善点
・「手作業による高級品質」に加えて、それが**顧客にどのような価値を提供しているか(例:長く使える、愛着が湧く、他社にない独自性)**を具体的に示しましょう。
・「多様な販路」は事実ですが、それぞれの販路がC社にとってどのような戦略的な意義を持つのか(例:自社ブランド認知度向上、安定した受注確保)を補足しましょう。

★弱み->改善点
・「後継者の育成不足」が、具体的にどのような問題を引き起こす可能性があるのか(例:技術継承の遅れ、生産能力の低下、品質の不安定化)を明示しましょう。
・高齢化による熟練職人の退職が、短期的にどのような影響を与える可能性があるか(例:特定の製品の製造困難、修理サービスの低下)も考慮できると良いでしょう。
第2問(配点30点)
★a)課題1->改善点
 製造工程における具体的な非効率性や問題点を挙げましょう。与件文には、**「生産計画立案後の受注内容の変動や特急品の割込みによって月内でもその都度変更される」「1回の受注量は年々小ロット化している」**といった記述があります。

★a)課題2->改善点
 受託生産の製造工程における別の具体的な課題を挙げましょう。与件文には、**「繰り返し受注を見越して、受注量よりも多いロットサイズで生産を計画し、・納品量以外は在庫保有している」「注文ごとに在庫から引き当てるものの、欠品や過剰在庫が生じることがある」**といった記述があります。
・満点に近い課題の例: 「見込生産による過剰在庫と、受注生産における小ロット多品種への対応の遅れ。」(20字)

★b)対応策1->改善点
・課題1で挙げた「頻繁な計画変更と特急対応」に対して、具体的な対応策を提示しましょう。例えば、生産スケジューリングの改善、情報共有の迅速化、標準化による柔軟性の向上などが考えられます。
★b)対応策2ー>改善点
・課題2で挙げた「見込生産による過剰在庫と小ロット多品種への対応の遅れ」に対して、具体的な対応策を提示しましょう。例えば、過去のデータに基づいた需要予測の精度向上、リードタイムの短縮、セル生産方式の導入などが考えられます。

第3問(配点20点)
★改善点
 さらに満点に近づけるためには、各課題が自社ブランド製品の開発強化に具体的にどのような支障をきたすのかをより明確にすると良いでしょう。また、字数制限内で、それぞれの課題に対するより具体的な示唆を含められると、さらに評価が高まります。

第4問(配点30点)
★改善点
・より満点に近づけるためには、具体的な対応策をより詳細に記述すると良いでしょう。「熟練工の退職期間延長と研修、OJTを強化することにより現在の職人レベルの人材を育成する」に加えて、**どのような研修やOJTを行うのか、分業化を検討する場合の具体的な進め方(どの工程から、どのように標準化するかなど)**に触れると、より説得力が増します。また、「ブランドの世界観」をどのように直営店で表現するのか、具体的なイメージを示すことも有効です。


【Copilotの総評】

第1問(配点20点)
★改善点:
・強み
 「多様な販路」の記述を具体化(例:百貨店・小売店・オンライン販売など)。
・弱み
 「後継者の育成が不足」→「育成制度が未整備で人材確保が困難」にすると明確になる。

第2問(配点30点)
★改善点
・課題1
 受託生産品の「低価格品が主」→「利益率の低下や差別化困難」という具体的な問題点を追加。
・対応策1
 「最高級品を製造」→「類似品をまとめて生産し、標準化でコスト削減」にすると実現可能性が高まる。

・課題2
 特になし。
・対応策2
 「デザイナー育成」について「市場データの活用」を加え、根拠を強化。

第3問(配点20点)
★改善点
 生産面の課題: 「縫製工程が機械化されていない」→「生産効率が低く、熟練職人への依存度が高い」に修正。 具体的な対応策: 技術継承や生産工程の部分的な標準化を提案すると説得力が増す。

第4問(配点30点)
★改善点
 熟練職人の技術維持と生産性向上の両立: 「分業化=低価格競争」と決めつけず、限定的な標準化による生産性向上を考慮する。 人材育成策を具体化: 「研修・OJT強化」に加え、待遇改善やインセンティブを加えると現実的。

■まとめ
 課題の記述はより具体的に!(単なる「不足」ではなく、何がどう問題なのか明確に) ・対応策は実現可能性を高める!(抽象的な理想論より、実行可能な施策を提示) ・ブランド価値を考慮しつつ、成長戦略を示す!(差別化を意識し、長期的な視点を持つ)

[令和3年 中小企業診断士試験 2次試験 事例Ⅲ 考察]

第1問(配点20点)
 革製バッグ業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。
《私の解答》
a)強み
 強みは、天然素材を使用した熟練職人による丁寧な手作業による高級品質と多様な販路。
a)弱み
 弱みは、熟練職人の高齢化が進み今後退職が予定されているが後継者の育成が不足。
《採点》
・ChatGPT 16点
・Gemini 15点
・Copilot 16点
《ChatGPTの解答》
a)強み
 熟練職人による高品質製品と多様な販路を有する点。
a)弱み
 熟練職人の高齢化と後継者育成の遅れ。
《Geminiの解答》
a)強み
 熟練職人の高品質な手作りと、多様な販路(百貨店・小売店・オンライン)。
a)弱み
 熟練職人の高齢化による人材不足と、後継者育成制度の未整備。
《Copilotの解答》
a)強み
 C社の強みは、熟練職人による高品質な手作り製品と、オンライン販売・小売店・百貨店など多様な販路を持つ点。
a)弱み
 熟練職人の高齢化が進み、退職予定者が多い一方で、後継者育成制度が確立されておらず、人材不足の懸念がある。
《考察》
 強みは、私の解答と、AIの解答はほぼ同じです。ただ、総評を見ると、高級品でどんな価値を顧客に提供できるのかとか、多様な販路と書いたがその販路にはどのようなところがあるのか具体的に書いた方がいいとの指摘がありました。多分文字数制限がなかった場合のことをいっていると思いますが、文字数が許すなら、今後解答に入れていきたいです。
 弱みも、私の解答と、AIの解答はほぼ同じです。ただ、総評には、後継者不足になった場合、どのような影響があるのか書いた方が良いという指摘がありました。あと言い回しの部分で指摘がありました。
第2問(配点30点)
 バッグメーカーからの受託生産品の製造工程について、効率化を進める上で必要な(a)課題2つを20字以内で挙げ、それぞれの(b)対応策を80字以内で助言せよ。
《私の解答》
a)課題1
 受注量は多いが低価格品が主となっている
a)課題2
 新製品の企画・開発経験が少ない
b)対応策1
 オンライン販売、百貨店などを強化し、最高の素材と技術により最高級品を製造し、エンドユーザーへ自社の製品の魅力を正確に伝え、品質に見合う価格で販売する。
b)対応策
 外部から新製品の企画・開発経験がある人を中途で採用をする。または、芸術学校を卒業した新卒を採用し、自社内で、OJTなどを実施しデザイナーとして育成する。
《採点》
・ChatGPT 22点
・Gemini 20点
・Copilot 26点
《ChatGPTの解答》
a)課題1
 工程の属人化による非効率性。
a)課題2
 自社ブランド製品に関しては、新製品の企画・開発経験が少なく、商品力の強化や差別化が進んでいない。
b)対応策1
 新製品対応力の不足。
b)対応策
 外部人材の活用や新卒採用によって企画力を補完し、社内でOJTを行いながら製品開発体制の強化を図る。
《Geminiの解答》
a)課題1
 小ロット化による生産効率の低下
a)課題2
 自社ブランド製品の企画・開発経験不足。
b)対応策1
 受託生産品の類似品をまとめて生産し、標準化を進める。資材を事前確保し、生産計画の安定化を図る。
b)対応策
 外部デザイナーと連携し、市場データ分析を活用する。新卒採用・OJT強化で社内デザイナーを育成する。
《Copilotの解答》
a)課題1
 受託生産品の小ロット化による生産効率の低下。
a)課題2
 自社ブランド製品の企画・開発経験不足。
b)対応策1
 受託生産品の生産計画を最適化し、類似製品のまとめ生産や、縫製工程の標準化・効率化を進める。さらに、必要な資材を事前確保することで生産計画の安定性を向上させる。
b)対応策
 デザイナーの採用強化や、外部専門家との連携を進める。さらに、オンライン販売データや顧客フィードバックを活用した市場分析を強化し、人気商品の開発につなげる。
《考察》
課題1は、価格帯について問題としたが、各AIは、工程の属人化、小ロット化について指摘しています。私の解答について、ChatGPTは効率性を問題としているのに、収益性について書いていると指摘がありました。効率的に稼げていないといった方向で書いたのだが、出題者がChatGPTが指摘した意図で出題したとしたら、これ多分点数もらえないかもしれませんね?ようは、その受注があっても稼げていないその理由を書かなければいけないのです。
課題2については、私の解答、各AIの解答ともほぼ同じです。今回、Geminiから0点を提示されましたが、効率性という部分が書けていないと判断されたようです。今後、○○○性という用語出てきたら、いったい何を指しているのか、厳格に考えていきたいと思います。
第3問(配点20点)
 C社社長は、自社ブランド製品の開発強化を検討している。この計画を実現するための製品企画面と生産面の課題を120字以内で述べよ。
《私の解答》
 製品企画面では、新製品の企画・開発経験がすくない。生産面では、縫製工程において、機械化されておらず人の手に頼り、部分縫製から全体縫製まで一人で熟練職人が担当しているが、その熟練職人も高齢化が進み、退職を迎えようとしている。
《採点》
・ChatGPT 15点
・Gemini 15点
・Copilot 17点
《ChatGPTの解答》
自社ブランドの企画・開発経験が不足しており、魅力ある新製品の創出が困難。生産面では熟練職人の高齢化と属人的な工程が課題で、後継者の育成と作業の標準化が必要。
《Geminiの解答》
製品企画面では、市場ニーズを捉える企画・開発の人材とノウハウの不足。生産面では、熟練職人の高齢化による技術承継の遅れと、手作業中心の生産能力の限界。
《Copilotの解答》
製品企画面では、新製品開発の経験者が少なく、市場ニーズを的確に捉える体制が不足。生産面では、熟練職人の手作業に依存し生産量拡大が困難。人材育成や生産工程の効率化が必要。技術継承を進め、部分的な分業化を検討し、生産性と品質を維持する仕組みを整える。
《考察》
製品企画面と生産面の課題を書く問題だが、製品企画面については、与件文のそのままの内容で書いたが、与件文の行間を読み、もうちょっと言葉を足した方が良かったかもしれない。
生産面では、私の解答に加えて、後継者育成、技術承継、標準化、属人的といったキーワードが出てきている。もうちょっと、記述方式を勉強し、以上のキーワードを入れるようにしたい。
第4問(配点30点)
 C社社長は、直営店事業を展開する上で、自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出すか、それとも若手職人も含めた分業化と標準化を進めて自社ブランド製品のアイテム数を増やすか、悩んでいる。
 C社の経営資源を有効に活用し、最大の効果を得るためには、どちらを選び、どのように対応するべきか、中小企業診断士として140字以内で助言せよ。
《私の解答》
 C社の社会的ブランドイメージから、自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出す方向で調整する。分業化を進めた場合、他社との差別化が難しく、今まで以上に価格競争に巻き込まれる可能性があるため、熟練工の退職期間延長と研修、OJTを強化することにより現在の職人レベルの人材を育成する。
《採点》
・ChatGPT 22点
・Gemini 20点
・Copilot 27点
《ChatGPTの解答》
熟練職人による高級感ある製品づくりに軸足を置きつつ、若手育成を進めて技術継承を図る。職人の作業を段階的に分業化し、標準化と品質維持を両立しながら、製品の多様化とブランド力の維持を目指す。
《Geminiの解答》
熟練職人の手作りによる高級感を維持し、高付加価値戦略を追求すべきです。直営店ではブランドの世界観を演出し、修理サービスを強化して顧客との絆を深めます。若手育成はOJTと標準化可能な工程の分業化を並行して進め、段階的な生産能力向上を目指します。
《Copilotの解答》
高級感を維持しながら、限定的な標準化を導入する。熟練職人が基本工程を担当しつつ、若手職人への技術継承を強化。分業と標準化により生産性を向上しアイテム数を増やす。OJT研修を充実させ、職人の待遇改善を進め、ブランド価値を損なわず持続的な成長を実現する。
《考察》
私の解答は、機械化は進めるものの、基本現状の生産体制を維持するという解答になっています。それに対して、AIの解答は、若手社員を育てた上で、分業化、標準化を進めるといった方向で解答をまとめています。現状セル生産方式が実現できていて、1製品を1人の人が責任をもってやることにより、社員のやる気を育て、品質を維持すると考えてそのように解答しています。そのため、各AIから以上のように指摘されていますが、次回類似問題がでてきても、同様の解答をするかもしれません。
なお、高級感を出すための職人の育成ですが、OJTしか書いていませんが、研修、インセンティブ、待遇改善などもあると助言がありました。

[あとがき]

 現在、遅れてはいるのですが、事例Ⅳの勉強も進めています。その中に、効率性、安全性、収益性、生産性などを考える問題が、毎年出題されています。今回、効率性という用語が出てきたとき、事例Ⅳで学んだことを少しでも脳裏に浮かべることができたら、解答が違ったかなって思っています。事例Ⅳ、もっとがんばらなければ行けませんね?

 では、また!

 

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