令和5年 中小企業診断士 二次試験 事例Ⅳ ~問題の制限事項の抽出~[中小企業診断士2次試験]

 こんにちは
 EVE2です。

 今日から、再び、令和5年中小企業診断士 二次試験 事例Ⅳの問題の解答をしていきたいと思います。
 前回は、与件文を分解をしましたが、他の事例問題のプロセスを踏襲するなら、先に問題文の制限事項の抽出と問題の抽出をすべきでした。前後しますが、本日は、問題の制限事項の抽出をしていきます。

[問題の制限事項の抽出]

 では、早速問題の制限事項の抽出からしていきましょう!

第1 問(配点20 点)
(設問1 )
 D社の2 期間の財務諸表を用いて経営分析を行い、令和3年度と比較して悪化したと考えられる財務指標を2つ(①②)、改善したと考えられる財務指標を1つ(③)取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、令和4年度の財務指標の値を(b)欄に記入せよ。解答に当たっては、(b)欄の値は小数点第3位を四捨五入して、小数点第2 位まで表示すること。また、(b)欄のカッコ内に単位を明記すること。

《制限事項の抽出》
・財務諸表を用いて
・経営分析を行う
・令和3年度と比較して悪化したと考えられる財務指標を2つ
・令和3年度と比較して改善したと考えられる財務指標を1つ
・小数点第3位を四捨五入して、小数点第2 位まで表示

(設問2 )
 設問1で解答した悪化したと考えられる2つの財務指標のうちの1つを取り上げ、悪化した原因を80字以内で述べよ。

《制限事項の抽出》
・設問1で解答した悪化したと考えられる2つの財務指標のうちの1つ
・悪化した原因を80字以内

第2 問(配点30 点)
(設問1 )
 D社の2期間の財務データからCVP分析を行い、D社の収益性の分析を行う。原価予測は営業利益の段階まで行い、2期間で変動費率は一定と仮定する。
 以上の仮定に基づいてD社の2期間の財務データを用いて、(1)変動費率および(2)固定費を求め、(3)令和4年度の損益分岐点売上高を計算せよ。また、(4)求めた損益分岐点売上高を前提に、令和3年度と令和4年度で損益分岐点比率がどれだけ変動したかを計算せよ。損益分岐点比率が低下した場合は、△を数値の前に付けること。
 解答に当たっては、変動費率は小数点第3位を四捨五入して、小数点第2 位まで表示すること。また、固定費および損益分岐点売上高は、小数点第2 位まで表示した変動費率で計算し、千円未満を四捨五入して表示すること。

《制限事項の抽出》
・D社の2期間の財務データからCVP分析を行い、D社の収益性の分析を行う。
・原価予測は営業利益の段階まで行い
・2期間で変動費率は一定と仮定
・(1)変動費率を求める
・(2)固定費を求める
・令和4年度の損益分岐点売上高を計算
・(4)求めた損益分岐点売上高を前提に、令和3年度と令和4年度で損益分岐点比率がどれだけ変動したかを計算
・損益分岐点比率が低下した場合は、△を数値の前に付ける
・令和3年度と令和4年度で損益分岐点比率がどれだけ変動したかを計算
・△を数値の前に付けること
・変動費率は小数点第3位を四捨五入小数点第2 位まで表示
・固定費および損益分岐点売上高は、小数点第2 位まで表示した変動費率で計算
 →千円未満を四捨五入して表示すること。

(設問2 )
 D社のサプリメントの製品系列では,W製品,X製品,Y製品の3種類の製品を扱っている。各製品別の損益状況を損益計算書の形式で示すと、次のとおりである。ここで、この3製品のうち、X製品は営業利益が赤字に陥っているので、その販売を中止すべきかどうか検討している。
 X製品の販売を中止してもX製品に代わる有利な取り扱い製品はないが、その場合にはX製品の販売によってX製品の個別固定費の80%が回避可能であるとともに、X製品と部分的に重複した効能を有するY製品に一部の需要が移動すると予想される。

(1)需要の移動がないとき、X製品の販売を中止すべきか否かについて、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して答えるとともに、20字以内で理由を説明せよ。さらに、(2) X製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計2,500万円を下回らないためには、需要の移動によるY製品の売上高の増加額は最低いくら必要か。計算過程を示して答えよ。なお、割り切れない場合には、万円未満を四捨五入すること。

《制限事項の抽出》
・需要の移動がないとき、X製品の販売を中止すべきか否か
 → カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して答える
 → 20字以内で理由を説明
 → 割り切れない場合には、万円未満を四捨五入

(設問3 )
 D社では、売上高を基準に共通費を製品別に配賦している。この会計処理の妥当性について、あなたの考えを80字以内で述べよ。

《制限事項の抽出》
・売上高を基準に共通費を製品別に配賦している。この会計処理の妥当性についてのべよ

第3 問(配点30 点)
 D社は、研究開発を行ってきた男性向けアンチエイジング製品の生産に関わる設備投資を行うか否かについて検討している。
 以下の資料に基づいて各設問に答えよ。解答に当たっては、計算途中では端数処理は行わず、解答の最終段階で万円未満を四捨五入すること。また、計算結果がマイナスの場合は、△を数値の前に付けること。

《制限事項の抽出》
・計算途中では端数処理は行わず
・解答の最終段階で万円未満を四捨五入する
・計算結果がマイナスの場合は、△を数値の前に付けること

 〔資料〕
1.新製品の製造・販売に関するデータ
 現在の男性向けアンチエイジング市場の状況から、新製品の販売価格は1万円であり、初年度年間販売量は、0.7の確率で10,000個、0.3 の確率で5,000個の販売が予想される。また、同製品に対する需要は5年間を見込み、2年度から5年度の年間販売量は、初年度の実績販売量と同数とする。
 単位当たり変動費は0.4 万円であり、毎年度の現金支出を伴う年間固定費は2,200万円と予想される。減価償却費については、次の「2.設備投資に関するデータ」に基づいて計算する。
 初年度年間販売量ごとの正味運転資本の残高は、次のように推移すると予測している。運転資本は、5 年度末に全額回収するため、5 年度末の残高は「なし」となっている。なお、初年度期首における正味運転資本はない。

2.設備投資に関するデータ
 設備投資額は11,000万円であり、初年度期首に支出される。減価償却は、耐用年数5年で、残存価額をゼロとする定額法による。また、5年度末の処分価額は取得原価の10%である。

3.法人税等、キャッシュフロー、割引率に関するデータ
 法人税等の税率は30%であり、D社は将来にわたって黒字を確保することが見込まれている。なお、初期投資以外のキャッシュフローは年度末に生じるものとする。
 本プロジェクトでは、最低要求収益率は8 %と想定し、これを割引率とする。利子率8%の複利現価係数と年金現価係数は次のとおりであり、割引計算にはこの係数を適用する。

(設問1 )  年間販売量が(1)10,000個の場合と、(2)5,000個の場合の正味現在価値を求めよ。(1)については、計算過程も示すこと。そのうえで、(3)当該設備投資の正味現在価値の期待値を計算し、投資の可否について、カッコ内の「ある」か「ない」に〇を付して答えよ。

《制限事項の抽出》
・年間販売量が(1)10,000個の場合と、(2)5,000個の場合の正味現在価値を求めよ
 → (1)については、計算過程も示すこと
 → (3)当該設備投資の正味現在価値の期待値を計算し、投資の可否について、カッコ内の「ある」か「ない」に〇を付して答えよ

(設問2 ) (1) 初年度末に2年度以降の販売量が10,000個になるか5,000個になるかが明らかになると予想される。このとき、設備投資の実行タイミングを1年遅らせる場合の当該設備投資の正味現在価値はいくらか。計算過程を示して答えよ。1年遅らせる場合、初年度の固定費は回避可能である。また、2年度期首の正味運転資本の残高はゼロであり、その後は資料における残高と同様である。なお、1年遅らせる場合、設備の耐用年数は4年になるが、その残存価額および処分価額は変化しないものとする。

《制限事項の抽出》
・初年度末に2年度以降の販売量が10,000個になるか5,000個になるかが明らかになると予想
 → 設備投資の実行タイミングを1年遅らせる場合の当該設備投資の正味現在価値はいくらか
 → 計算過程を示して答えよ
・1年遅らせる場合、初年度の固定費は回避可能
・2年度期首の正味運転資本の残高はゼロ
 → その後は資料における残高と同様
 → 1年遅らせる場合、設備の耐用年数は4年
 → 残存価額および処分価額は変化しない

(2) 上記(1)の計算結果により、当該設備投資を初年度期首に実行すべきか、2年度期首に実行すべきかについて、根拠となる数値を示しながら50字以内で説明せよ。

《制限事項の抽出》
・上記(1)の計算結果により、当該設備投資を初年度期首に実行すべきか、2年度期首に実行すべきか
 → 根拠となる数値を示しながら
 → 50字以内で説明

第4 問(配点25 点)
(設問1 )
 D社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM生産によって委託先に製品の生産を委託している。OEM生産の財務的利点について50字以内で述べよ。

《制限事項の抽出》
・OEM生産の財務的利点について
・50字以内で述べよ

(設問2 )
 D社が新たな製品分野として男性向けアンチエイジング製品を開発し販売することは、財務的にどのような利点があるかについて50字以内で述べよ。

《制限事項の抽出》
・OEM生産の財務的利点について
・50字以内で述べよ

(令和5年度 中小企業診断士2次筆記試験 事例4 問題より引用)

[あとがき]

 本当は、問題の抽出もしようとしたのですが、ちょっと、制限事項で考慮すべき点が多すぎで、明日に回しました。この制限事項、見落とすとすぐに減点されそうです。
 ただ、X上で、事例Ⅳで100点を採った方を知っています。その方も、本来財務・会計を苦手としていたそうですが、勉強の末にその域に達することができたそうです。自分ができるとは思ってはいないのですが、できるだけ、そんな方に近づけるように、本日から頑張りたいと思います。

 では、また!

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